学部・大学院 教員詳細

杉山 博昭(すぎやま ひろあき)
- 職名
- 教授
- 担当分野
- 社会福祉学、公的扶助、社会保障
- 学位
- 博士(学術・福祉)
- 研究キーワード
- 社会福祉、社会福祉思想、キリスト教社会福祉、貧困、社会的排除
研究内容
日本の社会福祉は、多くの人の努力によって発展してきました。近代初期、まだ制度は乏しかったのですが、孤児や生活に困窮している人を支援しようと取り組んだ人たちによる実践が始まり、やがて制度も整っていきます。現在の社会福祉について理解し、未来を考えていくためには、まず歴史を知る必要があります。そこで、社会福祉に先駆的に取り組んだ人の実践や思想を研究したり、未熟だった時期の制度の実態を分析したりするなど、社会福祉の歩みについて研究しています。特に、先駆的な役割を担ったキリスト教による活動や、個々の地域での独自の活動などに焦点をあてて研究しています。
主な研究
少子高齢化の進むなか、私たちの生活のなかで、社会福祉がますます欠かせないものになっています。現在では、社会福祉が誰にとっても欠かせない存在であることを否定する人はほとんどいないと思います。しかし、日本が近代社会として歩み始めた明治時代、社会福祉についての人々の理解は決して十分なものではありませんでした。
そうした時代に、厳しい生活困難をかかえて苦しんでいる人について、困難を共にして解決を目指そうと尽力した人がいます。たとえば、岡山孤児院を創設した石井十次という人です。そうした、福祉の先駆者の働きや思いを現代に継承してこそ、これからの社会福祉を築くことができます。そこで、福祉の先駆者たちの活動内容や思想を調べて、今の私たちが継承すべきことは何なのかを考えています。
また、先駆者たちの思いはやがて社会を動かし、社会福祉の制度につながって行きます。たとえば、民生委員という地域福祉を支える制度がありますが、これは1917年に当時の岡山県知事笠井信一により創設されたものです。なぜそうした制度ができたのかを知ることは、今の制度をよりよいものにしていくためにも必要なことです。したがって、制度ができたときの事情やそのときの内容を把握することも大切です。
社会福祉の未来を築くことについて、社会福祉の歴史を研究することで貢献しようとしています。
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岡山孤児院発祥地
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民生委員制度の創始者 笠井信一像