理念と歴史 学長メッセージ
ノートルダム清心女子大学のさらなる飛躍に向けて
本学は聖ジュリー・ビリアートによって1804年に設立されたナミュール・ノートルダム修道女会を設立母体としております。本学園の起源は1924年、修道会のアメリカ・ウォルサム管区から岡山に派遣された6名の修道女が、ショファイユの幼きイエズス会から清心高等女学校の経営を引き継いだことに始まりました。
2024年は6名の修道女が来日して100周年であり、さまざまな記念事業の一つとして、新学棟「トリニティホール」が竣工いたしました。「トリニティ」とは、日本語で三位一体と訳されているキリスト教の核心的な教義を表す用語です。万物の創造主である父なる神は私たち人間界におんひとり子イエス・キリストをお遣わしになりました。御子キリストは神と人間とを結ぶ仲介者となり、御父のもとから聖霊を私たちに送ってくださいました。そしてキリストは聖霊を通して、私たちの深奥に働きかけて励まし導いてくださっています。こうして、三位一体の神が私たちにまことの救いをもたらしてくださるのです。ですから、トリニティはまことの一致、親しい交わり、深い喜びを表しています。三位一体の神の御恵みを受けて、トリニティホールが国内外の学生、教職員、研究者の交わりと研鑽の場になるように願っております。
この新しい建物の器、トリニティホールは主に2024年4月に開設された国際文化学部、情報デザイン学部に関連する教育・研究・実践活動の場としてAI時代のリベラル・アーツを目指し、探求の基盤となっています。
近年のグローバル化の状況を前にして、行き交う人々のことばも文化的価値観も様々です。日本国内においても195もの国・地域の外国人が居住しているという統計的な記録があります。少子高齢化が進み、労働力不足で外国人をはじめとする多様な人材が不可欠となっています。そのためには時機にかなった外国語が必須になります。このようなグローバル人材を育成するために国際文化学部を開設いたしました。
また、現代の社会はデジタル社会と言われています。情報通信ネットワークで発展してゆく社会です。いわゆるインターネットやスマートフォンを使う社会です。そこではデータと情報を分析し、それらを取捨選択し、そこから何を表現し、どのように活用してゆくかを見極めることが大切であり、こうした活動は人間にしかできない能力です。このようなデータサイエンスを手がかりにして、社会の諸問題にアプローチし、その問題解決のために論理的に考察する力、妥当性を判断する力、表現する力が養われます。こういう観点から次世代をリードし、貢献する人材を育ててゆくために情報デザイン学科を設けました。
このように2024年度から文学部英語英文学科・日本語日本文学科・現代社会学科、人間生活学部人間生活学科・児童学科・食品栄養学科に加え、国際文化学部国際文化学科、情報デザイン学部情報デザイン学科という構成で、4学部8学科となりました。それぞれの学科はノートルダム清心女子大学の建学の精神に記されているとおり、社会の変化に相応した知識を学生たちに伝授してゆくことに直結しています。
知の全人的統合をはかる教育に向けてさらに努めてまいりたいと思います。