学部・大学院 教員詳細
鈴木 真(すずき まこと)
- 職名
- 教授
- 担当分野
- 歴史学、アジア社会史、中国史
- 学位
- 博士(文学)
- 研究キーワード
- 清朝(大清帝国)、皇帝・皇后、宮廷社会、科挙、儒教
研究内容
現代中国(中華人民共和国)の基礎となった大清(1636~1912)の歴史、およびその支配民族である満洲人(マンジュ人)の社会について研究しています。 中国東北地方に居住していた満洲人が、どのような社会・文化を営んでいたのか、そしてそれは漢人の伝統的な社会・文化とはどのように異なるのか、またかれらがどのような世界史的背景の下に勢力を伸ばして大帝国を築き上げていったのか、かれらが漢人の社会・文化と接触したときにどのような化学反応が生じたのか、という問題について関心があります。
主な研究
個人としては、中国史上における皇帝支配、その理論的支柱となった儒教(儒家思想)、皇帝を実務で支えた官僚の任用制度などに関心があります。
とくに清朝(大清帝国,1636~1912)の歴史、および清朝を建てた満洲人(マンジュ人)の軍事・社会制度について専門的に研究しており、清朝の紫禁城を舞台に皇帝・后妃、皇子・皇女、旗人官僚らが織り成す宮廷社会史・政治史をテーマとしています。
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太和門(北京・紫禁城)
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乾清宮の玉座 (北京・紫禁城)
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満洲文字で記された上奏文と、それに対する皇帝直筆の指示(部分) (『宮中檔雍正朝奏摺』第30輯,国立故宮博物院,1980年,143頁)
ゼミに所属した学生の研究内容(卒業論文のテーマ)
所属する現代社会学科では、「アジア社会史」の分野を担当しています。大学の講義科目では、主に古代から近代(18世紀中葉)以前の中国の歴史について、以下のようなテーマで講義しています。
・皇帝や后妃、宮廷社会
・儒教(儒家思想)
・科挙の発展と親族集団の形成過程
・中華の「天子」とアジアの華夷秩序
・塩商人の活動と秘密結社
・筆記史料からみた中国の怪異譚と死生観
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孔廟の孔子像(北京・国子監)
現代社会学科の「アジア社会史ゼミ」では、過去のアジア世界が対象であれば、基本的には学生自身の関心に基づき、自由に時代・地域・テーマを選択します。以下は、過去のゼミ生の卒業論文のテーマ(一部)です。
・「孝」の概念からみた古代中国の儒家思想
・『史記』に描かれた秦の始皇帝のイメージ
・陳寿『三国志』からみる三国間の外交使節とその特徴
・唐代伝奇からみた唐代女性の恋愛観
・北宋の開封における飲食文化
・モンゴル帝国における遊牧文化
・『子不語』からみた科挙受験生と怪異
・清朝末期の宮廷社会と西太后の権力掌握過程
・明朝と朝鮮王朝史料からみた豊臣秀吉の朝鮮出兵
・朝鮮通信使からみた近世東アジア世界における華夷秩序