学部・大学院 教員詳細
江草 弥由起(えぐさ みゆき)
- 職名
- 講師
- 担当分野
- 中世文学
- 学位
- 文学博士
- 研究キーワード
- 和歌、歌学、物語享受、書誌学、古典学
研究内容
鎌倉初期の後鳥羽院歌壇や南北朝時代の南朝歌壇の研究、岡山ゆかりの歌人正徹の研究、和歌における物語摂取や後世(近現代含む)における和歌享受の研究などを専門としています。受験を経験した学生の多くが、和歌に苦手意識を持っていると耳にします。難しいという先入観で和歌を知ることを諦めてしまわないで下さい。一首に籠められた心を紐解いていく中で、自分の心に寄り添ってくれる歌やずっと心に持っておきたい歌が見つかります。歌集を見ていくと歌人の心の内、世界観が見えてきます。文学研究とは人を知るための学問です。文学を学ぶ事を通して、自分がどういうものに共感し好ましいと感じるのか、自身の心をじっくり見つめて欲しいと思います。
研究紹介
院政期から南北朝期の韻文を対象とし、主に藤原定家を中心とした歌人および歌集の研究をしています。近年は、本学が所蔵する江戸時代の国学者黒川家資料から、近代の歌学知についての研究を進めています。
和歌研究の魅力
千年以上変わらない形で歌われ続ける「歌」は、世界を見渡しても稀有なものです。変わらない形を持ちながらも、歌人や歌壇(歌人集団)が様々な作品を取り入れ、表現を模索することで、歌の表現は磨き上げられ変化していきました。その表現がどうやって生まれたのか、それを美しいとする感性は何に基づくのか、なぜ人の心を打つのか、それを考えることは歌を知ることだけでなく、人の心を知ることにも繋がる行為です。
また、私家集からは、「個」としての歌人の姿が見えてきます。歌人らが何を求めて、私家集に「個」を表したのかを知ることは、現代の私たちが自己をみつめかえすことにも繋がることでしょう。
授業の様子
授業では、本学附属図書館施設「特殊文庫」に所蔵されている古典籍に実際に触れながら、古典を学ぶことの楽しさや奥深さを実感してもらっています。古典籍に残された昔の人の書き入れを見ていくと、ずっと続いている学問知の流れの中に自分たちもいるのだと気づかされるようです。