学部・大学院 教員詳細

陳 來幸

陳 來幸(ちん らいこう)

職名
教授
担当分野
華僑華人論、国際地域情報Ⅵ(中国)、アジア経済史
学位
博士(文学)
研究キーワード
華僑華人、アジア経済史、客家研究、被災地交流、冷戦

教員からのメッセージ

入学おめでとうございます。これからみなさんと新しいスタッフと一緒に国際文化学部の歴史を刻んでいきます。歴史学の方法論に加え、積極的に人と交わり、聞き取り調査の方法で発見を得ることに喜びを感じます。近代以降の日本や中国がいかに多種多様な人流や物流によって世界と繋がっていたのかを学び、きたる未来社会が住みよいものとなるよういつも考えています。

研究内容

台湾にルーツを持つ日本生まれの華人三世です。神戸の華商の家庭に育ち、日本とアジアがどのように繋がっているのかを意識し、中国系の商業会議所組織である中華総商会のネットワークを研究してきました。一方で、世界各地に根を下ろした華僑華人がどのような制度のもとで現地に溶け込み、それぞれの地に何をもたらしたのかについて比較研究をしています。歴史学を中心とした訓練を受けてきましたが、阪神淡路大震災を機に、インタビュー、現地調査、資料の保存活動が重要であることに気づかされ、被災地交流の活動にも関わっています。また、現在は孫文記念館の活動や神戸華僑歴史博物館の維持運営という社会貢献活動にも従事しています。

近代から冷戦時期のアジア(特に中国語圏)の社会経済史を研究しています。日清戦争に敗北した中国は、学校や警察の他、商業会議所制度を日本から取り入れました。海外に多くの移民を送出していた中国は商業会議所を独自のしくみに変え、中華総商会ネットワークを発展させました。現在なお東南アジア地域では華人は圧倒的な存在感を示しています。日本では、開港後居留地を中心に中華街が形成され、新たな新移民(新華僑)が不断に加わりながら、在日華僑は最大の外国人集団として存在し続けています。日韓併合以後から戦後長期にわり、在日韓国朝鮮人コミュニティが一時最大となりますが、現在の日本では居住外国人の構成も大きく様変わりし、ベトナム人やフィリピン人、ブラジル人が増加していることは周知のことです。広がるグローバル化と内なる国際化の双方を研究の二本柱としています。

最近の出版物

各地のチャイナタウン

神戸に生まれ育った私は、長く神戸華僑華人研究会や関連する社会団体の活動に参画し、神戸中華会館編『落地生根:神戸華僑と神阪中華会館の百年』(研文出版、2000年)の執筆にも関わりました。調査で世界各地のチャイナタウンを訪れ、比較の視点を獲得しました。現在は日本でもっとも成功した華商である呉錦堂の別邸であった神戸舞子にある孫文記念館の副館長を務めています。