学部・大学院 教員詳細

長村 裕佳子(ながむら ゆかこ)
- 職名
- 講師
- 担当分野
- 多文化共生論、ブラジル地域研究、ポルトガル語
- 学位
- 博士(国際関係論)、修士(社会学)
- 研究キーワード
- 中南米への日本人移民史、海外日系人、在日ブラジル人コミュニティ、アイデンティティ、ネットワーク
研究内容
日本から中南米への移住は19世紀末から始まり、第二次世界大戦中に一時中断され、戦後は主に1970年代まで続きました。1980年代以降、今度は中南米へ移住した人々の子孫である日系人が就労を目的に来日するようになりました。このような世代を越える移動経験を経て日系人が日本と中南米の両側に構築してきたネットワークに着目し、コミュニティ形成やアイデンティティについて調査を行っています。主に、ライフストーリー・インタビューや移住者やその子孫が書き残してきた資料の分析を通じて、日系人のアイデンティティや文化の変化を分析しています。
研究背景の紹介
「日系人」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。日本人は19世紀から北米や中南米へと集団で海外移住してきた歴史があります。海外に移住し、その地に定住した移住者やその子孫が「日系人」と呼ばれてきました。特に、ブラジルにはそのような日系人が最も多く、現在、世界最大の日系社会があると言われています。 一方、1980年代、日本経済が成長していたとき、今度は中南米へ移住した人々の子孫が就労を目的に来日するようになりました。1990年の入管法改正によって日系二世、三世に「定住者ビザ」が発給されるようになると、来日者数は激増しました。このような人々が「在日ブラジル人」や「在日ペルー人」と呼ばれるようになりました。
かれらの多くは自分の両親、もしくは祖父母の国である日本へ「帰ってきた」ことになります。しかし、日本にルーツがあってもブラジルやペルーで育ってきた日系人は日本語が分からなかったり、日本文化に不慣れなこともあります。そして、現在ではそれらの人々の子どもたちが日本で生まれ、日本で育っています。このような日系家族たちは日本でどのような経験をし、どのような気持ちで暮らしてきたのでしょうか。また、日本社会でどのように活躍しているのでしょうか。日本とブラジルの両側でライフストーリー・インタビューという聞き取りを行い、主に日系ブラジル人の様々な経験やコミュニティ、ネットワークについて調査を行っています。