ノートルダムの風景

2025.07.20

社会をよくする仕事-青井由佳・客員准教授インタビュー-|登録日本語教員養成課程

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本学では2025年から登録日本語教員養成課程がスタートしました。課程開講科目を担当する青井由佳・客員准教授に、日本語教師という仕事や、本学の登録日本語教員養成課程について聞きました。

きっかけ
色々な経緯が重なって日本語教師になったのですが、その一つが卒業旅行で訪れたマレーシアです。一気に“はまって”しまい、帰国後マレー語を学ぼうとしたのですが当時岡山にはそういう場所がなくて、近い言語であるインドネシア語教室に通いました。教室を通して仲良くなったインドネシア人実習生に「日本語を教えて」と言われて「いいですよ」と答えたものの、いざやってみようとすると何も教えられることがないことに気づきました。

日本語教師としての来歴
その後、岡山外語学院の日本語教師養成講座に通い、日本語教育能力検定試験に合格しました。岡山外語学院で3年ほど日本語教師として働いた後、国際交流基金の派遣プログラムで、マレーシアに派遣されました。マハティール首相指導の下始まったルックイースト政策の一環で、マレーシアで日本語を2年間学んだ後、日本の国立大学に留学する1学年180人ほどのコースでした。その数の学生を10クラスに分け、レベルに差はあっても進度を揃えて学習を進めます。教える側は、基金から派遣された日本語教師、現地マレーシアの日本語の先生、文部科学省から派遣された理系科目を教える日本の高校の先生方もいらっしゃって、大所帯でした。
私は3年間1年生を担当し、日本語について何も知らない状態から、日本人教師の日本語での授業がどうにか理解できるレベルまでを教えました。国内の日本語学校で教える場合、レベルがまちまちなクラスを担当することが多く、文法や教科書の分析、授業準備などもなかなか一貫してできないのですが、このコースで、いわゆる初級レベルとじっくり向き合う経験ができ、また様々な経歴を持つ同僚や上司とのつながりができました。
常夏のマレーシアでの3年間は、日本語教師としての土台を固める時間になったと思っています。

登録日本語教員養成課程について
海外、国内の日本語教育機関で日本語教師として就職することだけが、この課程のゴールではありません。
英語や国語の教師として赴任した学校で日本語を第一言語としない生徒を受け持つことになるケース。就職した一般企業で外国人スタッフと共に働くケース。既に私たちの身近に外国人がいて、共に社会を構成しています。
そうした現状をまず理解して、状況を、ひいては社会をどう良くしていけるか考えられる人になる。登録日本語教員養成課程は、そうした今の日本社会のニーズに応える学びの場です。

ノートルダム清心女子大学の学生について
持ち前のまじめさで、在学中に色々な事を吸収してほしいと思います。その時には分からないと思っていたことでも、あとの人生で意味を持つことが必ずあるでしょう。そういったものに、常に手を伸ばす清心生であってほしいと思っています。



青井由佳(あおい・ゆか)客員准教授
略歴
1988年3月、岡山県立岡山朝日高等学校卒業。1992年3月にノートルダム清心女子大学国語国文学科卒業。県内税理士事務所勤務を経て、日本語教師養成講座を受講。1996年3月に日本語教育能力検定試験合格後、岡山外語学院に勤務。2000年より3年間、国際交流基金、青年日本語教師派遣プログラムによりマレーシア、マラヤ大学予備教育学部に派遣。帰国後、立命館大学の言語教育情報研究科修士課程に進学、修了。現在、ノートルダム清心女子大学・客員准教授の他、岡山大学、岡山理科大学、岡山外語学院等で非常勤講師。地域の日本語教育にも携わり、2023年より岡山市地域日本語教育推進のための総合調整会議の委員も務めている。

※2025年6月現在の情報です

青井由佳客員准教授青井由佳客員准教授

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