昨年に続き今年も、先進的な活動を行っている図書館の視察として、瀬戸内市にある瀬戸内市民図書館「もみわ広場」を視察しました。この視察は情報デザイン学科と岡山県立図書館との協力企画の一環で、昨年から継続して活動している学生は二度目の訪問ですが、今年度から加わった情報デザイン学科の1・2年生は初めての訪問となります。昨年は学期中の11月に訪問しましたが、今回はより長い時間滞在できるよう、夏季休業中に訪問しました。
今回は、昨年も案内してくださった瀬戸内市民図書館の司書の方に加え、瀬戸内市民図書館を支える友の会「せとうち・もみわフレンズ」の事務局長の方からも、お話を伺うことができました。図書館と「もみわフレンズ」や他の団体、地域の方々が協働して様々な活動をされており、この一年間の取り組みだけでも、館内でのコンサートや映画の上映会などを行っているそうです。事前に「説明部分は昨年のスライドに追加する程度になる」と聞いていたのですが、学生も教員も、「去年よりパワーアップしている…」と、驚くばかりでした。
瀬戸内市民図書館の入口。現在は隣接する公民館が工事中のため、今回は館内の見学のみを行いました。
司書の方から説明を伺っています。スライドにもある「地域コミュニティの拠点」としての図書館という視点は、学生の印象にも強く残っています。
「もみわフレンズ」の事務局長の方は、図書館と書店の違いとして、図書館は「文化を蓄積する場所」だと仰っていました。「文化」は書籍(本)に限られるものではなく、たとえば「せとうちデジタルフォトマップ」は市内の風景を撮影してアップロードできる「みんなでつくる」Webサイトになっており、投稿された写真は利用規約の範囲内で自由に活用できるようになっています。リーフレットや写真集などは、もみわフレンズのYouTubeチャンネルでも公開されています。
「せとうち・もみわフレンズ」の事務局長の方からは、瀬戸内市の文化を蓄積するための様々な取り組みを教えていただきました。
写真集・リーフレットなどの紙媒体だけでなく、YouTubeチャンネルなどWebでも情報を発信されています。
また、新たに制作されたリーフレット「もみわ宝島」は、館内図を大きく配置して館内各所の見どころを伝えており、これを見ながら館内を回りたくなる地図になっていました。また、瀬戸内市で行われているさまざまな活動・イベントや、それらを支える人々も紹介されており、街の魅力をよく理解することができました。
質疑応答の時間には、継続して参加している学生から、このような活動がどのように実現されているかについての質問が複数ありました。昨年は活動内容についての質問が中心でしたが、魅力的な活動を実現するための運営方法にも関心が向いていることに、学生の成長を感じました。
リーフレット「もみわ宝島」の館内図。瀬戸内市民図書館の空間にさまざまな魅力があることを教えてくれます。
今回は書庫などのバックヤードも案内していただけました。市民の方の意見を取り入れて、館内の配置を変えたところもあるそうです。
その後は館内を散策しながら、それぞれが思い思いに「もみわ広場」の空間を楽しみました。館内のそこかしこに魅力や工夫、優しさがあり、今回も一同、非常に有意義で満足する時間を過ごすことができました。今回の視察の様子は、瀬戸内市民図書館の各種SNS(X, Instagram, Facebook)にも掲載されています。
瀬戸内市出身の人形師、竹田喜之助氏に関係する館内の展示を見学しています。人はなぜか、ものを見るときに同じような姿勢になります。
「視察」というとブラブラと見て回るイメージですが、図書館の機能を学ぶ上では、実際に本を探して見ることが重要です。瀬戸内市民図書館では、書架のインデックスの文言一つにも、さまざまな遊び心や工夫があります。
今回もお忙しい中、視察をご快諾いただけた瀬戸内市民図書館と「もみわフレンズ」の皆様には、手厚くご対応いただき、ありがとうございました! 今回の学びを、今後の活動にも活かしていければと思います。
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