情報デザイン学科

2025.09.11

情報デザイン学科の2年生が研究成果を英語で学会発表(GNW2025)

  • 情報デザイン学科

  • 社会連携・研究

    研究活動

X

facebook

 2025年9月8日(月)、能楽堂ホールtenjin9において、電子情報通信学会ソサイエティ大会の一環として開催されたGlobalNet Workshop 2025(GNW2025)に、情報デザイン学科2年生の4名が参加し、英語でのポスター発表を行いました。

 GlobalNet Workshopは、留学生や英語志向を持つ学生が英語での発表に慣れることと、国際的な交流を促進することを目的としたイベントです。研究の途中経過(Work In Progress)の内容でも良いとされていますが、実際のプログラムを見ると通常の学会と同様に本格的な研究成果の発表会として実施されました。

 会場には発表者を含めて100名を超える参加者が集まりました。電子情報通信学会の特色を反映し、通信やデバイス関連の研究トピックが大半を占める中、私たちを含む約4分の1の発表が応用システム関連の研究でした。参加者の半数以上が留学生で、日本人発表者もほぼ修士課程の学生と思われる中、学部2年生での参加は非常に珍しいケースでした。

 発表形式は、最初に1分間で研究内容を紹介するショートトークから始まり、その後、参加者が二つのグループに分かれて45分ずつのポスターセッションが実施されました。ショートトークでは、4名とも他の発表者と同じレベルで英語による説明を行うことができました。ポスターセッションでも、参加者に対して積極的に研究内容を説明し、質問に対しても的確に応答する形でポスターセッションらしい議論を実施できました。

 学部2年生という段階で夏休みに時間を割いて研究成果をあげ、発表準備を行い、大学生や留学生と並んで発表と議論を英語で実施できたことは、学生たちにとって非常に貴重な経験となりました。

最初に一人ずつ1分間のショートトークが行われました最初に一人ずつ1分間のショートトークが行われました

続いて45分間x2回のポスターセッションが行われました続いて45分間x2回のポスターセッションが行われました

研究成果のポスターを説明し議論を行いました研究成果のポスターを説明し議論を行いました

セッションは基本的に英語で、外国人にも説明を行いましたセッションは基本的に英語で、外国人にも説明を行いました

4名の発表タイトル(学会プログラムより抜粋)4名の発表タイトル(学会プログラムより抜粋)

 今回発表を行った情報デザイン学科4名の研究内容は、実践的なアプローチが特徴の以下の通りでした。

・中原絢音さんは「分散配置した複数のPC/モニターで構成された3Dディスプレイシステム」の研究で、各PC/モニターで再生する映像作成のための空間切取り投影パラメータの自動計算モジュールを開発しました。この研究では、分散配置された複数のディスプレイで一つの3D映像を表示するシステムにおいて、各ディスプレイが担当する映像部分を自動的に計算し、Unityで一括作成できる環境を構築したことが特徴です。

・高見怜奈さんは、中原さんの研究と連携した「空間分散投影技術における複数PC間のソフトウェア同期実行」について発表しました。映像作成で重要な要素となる竜を模した3Dオブジェクトの制作に加え、再生フレーム番号を各PCに配信することで、複数のPCで異なる映像を完全に同期して再生することを実現しました。この技術により、分散配置されたディスプレイシステムでの滑らかで統一感のある映像表示が可能になりました。

・渡邉友惟さんは「幼稚園児による無秩序な使用に対応する堅牢なインターフェースの設計と実地テスト」というユニークな研究を発表しました。幼稚園の預かり保育時に使用するゲームをAIで大量生成する将来のユースケースを想定し、子供だけで操作できる直感的で簡単、かつ子供が行ってしまう異常な操作にも対応できるロバストなユーザインターフェースの開発に取り組みました。音やボタン入力、画面変化とLEDテープの色変化を組み合わせたテストゲームを実際に制作し、幼稚園での実地テストでは30分近く子供たちが継続して遊び続ける状況を実現することができました。

・中村綾那さんは、渡邉さんの研究と連携し「幼稚園児の無秩序な行動に耐えるインターフェースの探求と実地テスト:ゲーミフィケーションアプローチによる無秩序行動の自律的制御」について発表しました。子供たちが一つの場所に殺到することを防ぎ、混沌とした状態から自然に規律ある状態を生み出す手法の検討と実装に取り組みました。実際の幼稚園でのテストでは、15分を超える長時間にわたって園児が自主的に整列する行動を促すことに成功しました。

 学部2年生という早い段階でこのような研究発表を実現できたのは、実地テストにご協力いただいた附属幼稚園のみなさま、システム構築に協力頂いた情報教育支援センターをはじめスタッフ部門のみなさま、日頃から学生の技術力向上にご指導いただいた学科教員のみなさまのお力添えによるものです。皆様の温かいご支援に心から感謝申し上げます。

幼稚園でフィールドテストさせて頂きました幼稚園でフィールドテストさせて頂きました

提案方式で実際に園児だけで遊べたり、自律的に整列するかを試験しました提案方式で実際に園児だけで遊べたり、自律的に整列するかを試験しました

情報デザイン学科(学科紹介)
情報デザイン学科のブログを読んでみよう!
研究分野
情報デザイン学科教員紹介

情報デザイン学科紹介Movieはこちらから