日本語教員養成課程では,本学の協定校である台湾の天主教輔仁大学(新北市;台北市の隣)の日本語文学系(=日本語学科)で、日本語を勉強している学生を対象に「日本語教育実習」を毎年行なっています。
今年は、移動日を含め2024年11月3日(日)~11月7日(木)の日程で行ないました。
今年の実習生は、英語英文学科2名、日本語日本文学科6名の計8名です。
現地での指導および引率を行った尾崎喜光教授が、以下のとおり、日々の様子を届けてくれました。
【11月3日(日)】
午前に関西国際空港を出発し、桃園国際空港に夕方到着しました。
入国審査を終えてガイドさんと合流したのち、まずは夕食に向かいました。
宿泊先とした輔仁大学の簡易宿泊施設(ホステル)には19時過ぎに到着し、実習の窓口(コーディネイタ)を担当してくださっている坂元さおり先生とロビーにて顔合わせをしました。
台湾一日目の夕食
宿泊施設
【11月4日(月)】
午前に「会話」の授業を見学させてもらった後、午後に1コマ(50分×2)の実習を行いました。
夕方に学科からのお弁当(夕食)をいただいた後、17時30分から、輔仁大学で日本語を学んでいる希望学生との自主交流会(ジャパニーズコーナー「日本について何でも話そう」)で日本語により交流し、さらに18時40分からは夜間部で日本語を学んでいるクラスの学生(社会人学生や年配者もいる)との自主交流会で交流しました。
自主交流会
自主交流会(夜間部)
教育実習以外のこうした交流会の場において、本学の学生たちが日本語を普段どおりに話すことで、輔仁大学で日本語を学んでいる学生たちには日本語のいわゆるネイティブスピーカーと直接会話できる貴重な機会になっているのではないかと思うと、大変嬉しい限りです。また、日本語を学んでいる学生たちの日本語力や日本語を学ぶ動機、将来日本語を使ってどのようになりたいと考えているか等についても触れることができたのではないでしょうか。
【11月5日(火)】
午前に1コマ、午後に2コマの実習を行いました。
実習風景
実習後の記念写真
その後、実習生8名および授業を提供くださった教員4名にもご参加いただき、坂元さおり先生の司会により実習の振り返り(反省会)を行いました。
まずは、実習生から一人ずつ振り返りの感想を述べ、続いて教員側からコメントと温かい励ましの言葉をいただきました。なお教員側からは、これとは別に、授業をご覧になってのコメントを記入したシートを実習生たちにお渡しいただき(帰国後の御送付もありました)、今後の勉強とさせました。
【11月6日(水)】
実習の対象とさせていただいた台湾の学生たちの社会的・文化的背景の一端を知るために、ガイドさんの案内による「文化活動」を行いました。
午前は、まず国立台湾博物館に行き、台湾の古代からの国土や原住民の状況等について、学びました。また、日本統治時代に整備された博物館近くの公園をしばらく散策しました。次いで、日本統治時代に作られた瓦屋根の日本家屋を再建した「台湾文学基地」に行き、台湾文学が作られた社会的背景の一端を学びました。
昼食後の午後からは、ガイドさんの案内により、学生の希望によるオプショナルツアー(十分での天燈上げと九份での散策)に参加しました。
国立台湾博物館にて
九份の屋台
【11月7日(木)】
最終日、桃園国際空港から関西国際空港に、全員が無事到着しました。
日本語教員養成課程 尾崎 喜光(日本語日本文学科 教授)
何度も学習指導案を書き直しながら準備を重ねて臨んだ学生たちでしたが、学習者の反応を生で見たり、感じたりできたことが、大きく印象に残ったようです。
また、異国の地で知るその国の文化や習慣に驚きや感動を覚えながら、多くの方と交流できたことも良い経験になったと語っています。
このたびの台湾実習を含め、日本語教員養成課程で得た学びを、学生たちが今後多くの場面で生かしてくれることを期待しています。