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ノートルダムの風景

2024.03.30

帰ってきたルルドのマリア像|山根道公 キリスト教文化研究所

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ノートルダムの風景

ダイアリー

清心ヒストリア

Message from Notre Dame

大学は今年、「シスター来日100周年」という節目の年を迎え、この春、二つの新学部が開設され、新学棟が完成しました。時代の要請に応え新たな発展をめざす大学において、建学の精神、清心スピリットが受け継がれていくことを伝えるシンボルとして、伝統的に元々正門脇にあったルルドのマリア像が新学棟の入り口前の正門側に新たに設置した地産の万成石の祠に帰ってきました。
 

正門側のルルドのマリア像 竣工したトリニティホールとともに

正門側のルルドのマリア像 竣工したトリニティホールとともに

ルルドはフランスで年間500万人以上の人が訪れる聖地です。19世紀初頭のフランス革命以後の宗教的に荒廃したフランスで、本学の設立母体であるナミュール・ノートルダム修道女会が、信仰の立て直しに努めた聖ジュリー・ビリアートによって創設された半世紀後、14歳の少女ベルナデッタがルルドの洞窟で聖母の出現を受けたのが聖地ルルドの起源です。ルルドで湧いた泉の水による癒しを求め多くの巡礼者が集う地になっていきました。そうしたルルドのマリア像で想い起されるのは、ルルド研究を最後にされて4年前に帰天された本学キリスト教文化研究所元所長の須沢かおり先生の次の言葉です。

「傷病者の存在が中心となり、苦しみ、病い、死を分かち合うことによって生まれる共生、新たな紐帯がルルドにはある。近代市民社会において病者、障害者、高齢者、死にゆく者が、非生産的なグループに属すると見なされ、公の場から疎外される傾向にある。その中で傷病者の存在こそが、連帯と絆の原点となり、現代社会において疎外されがちな病、障害、死を共同体のすべての人々が共有するのである。相互的な交わりの中で、傷病者とその同伴者、家族、すべての人々が一つとなり、真の居場所と心の平安を得られることに、現代も多くの人々を惹きつけてやまないルルドの存在価値と意味がある」(「人生の終わりへの希望―ルルドに見る全人的ケア・癒し・共生―」『キリスト教文化研究所年報』42号所収)

地産の万成石の祠に帰ってきました

地産の万成石の祠に帰ってきました

こうした意味をもつルルドのマリア像は、一人ひとりをかけがえのない存在として大切にするインクルーシブ社会をめざす本学のカトリック教育の象徴でもあるとも言えるでしょう。
山根 道公

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