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大学院

2024.02.10

【大学院を知ろう|大学院での研究について Part 13】大学院生としての日々|日本語日本文学専攻

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日本語日本文学科

大学院

ブログ「大学院を知ろう」シリーズでは本学大学院で学んでいる大学院生にインタビューし、いま感じていることを語っていただきます。
 今回は、本年4月に大学院に入学した日本語日本文学専攻 博士前期課程(修士課程)寺尾穂乃香さんです。
 
<寺尾穂乃香さん 日本語日本文学専攻1年生 (古代中世文学分野)>
(インタビュー2023年11月)



―いまの寺尾さんの大学院での研究内容について教えてください。今はどんなところに興味を持って研究を進めていますか?
 『万葉集』における雨を詠んだ歌に興味を持ち、研究しています。約4500首の『万葉集』の歌々の中で、雨を詠んだ歌は約150首見られます。それらの歌の中で、雨がどのような役割をもつものとして詠まれているのか分析することで、『万葉集』において求められた雨の働きを明らかにしたいと思っています。

―それは学部生のころからの関心の延長ですか?それとも、学部生のころと比べて、何か変化はありましたか?
 卒業論文で取りあげたテーマを継続して研究しています。しかし、大学院に入学後、先生方から研究史における自分の研究の位置づけや独自性を考えることについてご指導いただく中で、自分の研究を考え直し、目的や方法は変化したと感じています。実は、雨の歌の中には「雨」や「春雨」、「小雨」など様々な語が見られるのですが、「雨」と詠んだ歌については研究があまり進んでいないことに気づき、注目するようになりました。現在は、「雨」について、「春雨」や「小雨」といった他の雨の語と重ねる要素をもちながら、どのように区別され、歌に詠まれたのか考えたいと思っています。

―学部生のころと比べて心境的に変わったところはありますか?
 学部生のころと比べて、自分の考えを述べることを求められる時が増えたと感じています。見聞きした様々なことについて自分の意見をもって向き合い、それを他者に伝える機会が色々な場であることに、身の引き締まる思いです。また、大学や授業以外の学びの場に参加させていただく機会も増えました。私は国語科教員になることを目指しているのですが、実際に中学校や高等学校で働いていらっしゃる先生方のお話を伺う中で、そのお考えや生徒への思いを学び、教職や国語の魅力を改めて実感しています。同時に、今の自分に足りていない知識や力を痛感し、悩むこともあります。

―寺尾さんは先ほど教えていただいた研究と並行して、国語科教諭の専修免許取得を目指されているということですね。このことは学部生のころから考えていたのですか?
 大学院への進学を考え始めた大学3年生の時に、先生から専修免許について教えていただき、意識するようになりました。憧れていた先生方のもとでもっと学びたいと思うと同時に、国語科教育についてもより深く学びたいと思い、専修免許の取得を目指すことにしました。

―これまで、そして、いま感じられているご自身の思いを教えていただけますか?
【共に頑張る世界】
 私はもともと人と話すのが苦手だったのですが、本学に入学し教職課程を履修する中で、自分とは大きく異なる考えや経験をもつ友人と出会いました。それまでは、自分が~だから、自分で頑張る、と考えが自分一人に終始してしまっていたのですが、彼女と関わる中で、話す楽しさや一緒に進む喜びを教えてもらいました。彼女は、私が教師を目指すきっかけをくれた一人ですが、大学に入学して初めて意識した教師という職を目指すにあたり、自分の至らなさに直面することも何度もありました。その中でも、自分の夢に向かって全力で臨む彼女の姿や言葉に、問題や自分に向き合う勇気をもらいました。憧れを形にした彼女と共に働けるよう(彼女の隣に並べるよう)に、できることから一つずつ頑張りたいと思っています。

【対象を見ることの解像度を上げていく】
 本学の日本語学を担当されている星野佳之先生から<物事を見るときの「解像度の高さ」>についてお話ししていただいたことがありました。それまで、同じものを見ても、より多くの情報を得、対象の魅力を深く味わっていらっしゃる先生方や先輩方のお姿に、漠然と自分に欠けているものを感じていたのですが、先生のお話の中で、その一つの答えを見つけたように感じ、お言葉が強く印象に残りました。赤色が、紅色や朱色、緋色と細分化され、それを見分けられる人にはその一つひとつの美しさが感じられるように、物事を多角的に深く見つめた先に広がる世界はとても豊かなものだろうと思いました。自分もその景色を少しでも見られるように、いただいた2年間の中で、より多くのことを学べるよう頑張りたいと思っています。

【文学の研究と教職への夢について】
 私にとって、解像度を上げることは、憧れる国語科教員になるための2つの目標につながっていく力です。一つは、生徒一人ひとりの学びを大切にすることです。多様な生徒一人ひとりを受け止め、その過去も未来も見つめて幸せを願うことは、物事を多角的に深く捉える力がなくては成し得ないことだと思っています。もう一つは、国語の魅力を発見する喜びを伝えることです。大学の講義の中で、分からなかったことが解き明かされていく瞬間、考えたこともなかった視点から物事を見る瞬間は、モノクロだった世界が優しい光で色づいていくように感じます。生徒が、学校卒業後もずっと続いていく人生の中で、学ぶことを通して見える世界ってちょっといいかもしれないと思えるように、教材を通して、そんな関わりのできる教員になりたいと思っています。

―本学の後輩たちに何か伝えたいことがありましたら教えてください。
 今、自分の中にあるものを大切に、と伝えたいです。自分が悩んでいる時に、周囲の方からたくさんいただいたお言葉です。どうしても自分にないものばかりくっきり見えてしまいますが、振り返ると大学院への進学も、教師への憧れも、今の自分にあるものを見つめた中で見つけた道でした。憧れも、不安も、苦しいけれど、向き合うことで見えてくることがあると感じています。周囲の人、今いる場所、そこで感じる思い、その一つひとつがみなさんを支えてくれる力になることを願っています。
(聞き手:日本語日本文学専攻 事務担当 前谷明子)


*本学で取得できる免許・資格についてはこちらをご覧下さい。



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