このシリーズでは、英語英文学科の4年生に、大学生活を通しての英語との向き合い方と、英語力向上のきっかけについて尋ねました。
まず第1回目は、英語英文学科4年生の久米井万実さんです。
入学当初の戸惑いや模擬国連との出会い、そしてTOEICのスコアが伸びた理由について話してもらいました。
−入学当初の戸惑い
私は中学・高校の授業以外での英語学習を一切行なってきませんでした。文法・語彙・作文などに焦点を当てたいわゆる受験英語を学ぶことも、もちろん楽しかったのですが、実際にそれを使って話す機会がほとんどなかったので、「話せる英語」は全く身についていませんでした。
そのため、大学に入学してからは英語を話す機会が格段に増えたことに対して喜びを感じると同時に、思っていた以上に英語を話せない自分自身に強くもどかしさを感じるようになりました。
−模擬国連との出会い
そんな自分を変えたいと思い、2年生のときに思い切って参加したのが模擬国連です。参加基準としてTOEICのスコアが650点以上であることが望ましいとされていましたが、当時の私のスコアは660点と、ようやく参加資格を得られる点数であったため、参加直後は周囲の議論についていけなくて一言も発言できず、悔しくて惨めな思いをすることばかりでした。
もうやめてしまおうかと思うことが何度もありましたが、その度に思いとどまることができたのは、模擬国連という環境に、同じくらい強い志や熱量や覚悟をもって共に励む仲間が多くいたからです。また、自身のコンフォートゾーンを抜け出す過程には多くの努力と、ある程度のストレスが付き物だと知っていたことも大きかったかもしれません。
そこから1年間、ひたすら食らいついた結果、ただの参加者だった私が1年後には日本大学英語模擬国連大会(JUEMUN)において議長という大役を任されるまでに成長でき、気づけばTOEICも865点まで上がっていました。現在私は4年生で履修している授業の数も少なく、その分英語を使う機会も減っていますが、模擬国連への参加を続けることでTOEICのスコアを870点でキープすることができています。
−1年間でTOEICのスコアが大幅に伸びた理由
実は私は模擬国連に手一杯でTOEIC対策を行う時間が全くといっていいほど確保できていなかったのですが、にもかかわらずこのように大幅に点数が伸びたことには、模擬国連に含まれるプロセス一つ一つが大きく関係していると考えています。
まず、模擬国連の会議に参加するには遅くとも2か月前から毎日2、3時間リサーチをしなくてはなりません。議題や自分の担当国について自信と根拠をもって話せるよう、インターネットで政府や国際機関が公開する文書や過去及び最新のニュースをできるだけ多く集めます。
これらの情報源のほとんどが英語で書かれているため、毎日のリサーチを通じて英文が速く正確に読めるようになったり、頻出の語彙を自然に習得できたりするといったようにリーディングスキルが向上したと感じています。加えて大会までの準備期間に行う授業や大会本番はすべて学生が主体となって英語で行います。
参加者は英語をただ聞き流すのではなく、常に一国を背負った大使としての責任をもって他者の意見を能動的に聞く必要があります。TOEICで必要とされるリーディングスキルとリスニングスキルは、このようにして模擬国連で強化されます。
もちろん、身につくのはその2つだけではありません。参加者は自分の担当国が議題についてどのように考えているのか、会議参加前にドキュメントにまとめて提出しなければなりません。また、会議本番では他の参加者と協力して決議案を完成させます。
このプロセスを経てライティングスキルを向上させられることに加え、議論の際に頻繁に自分の言葉で意見を主張する過程でスピーキングスキルも養われます。このような英語4技能に加え、世界の問題に関する知識関心、情報処理力、批判的思考、リーダーシップスキルといった多くの力を身につけるための要素がバランスよく凝縮された活動が模擬国連なのです。
−これから清心の英語英文学科で学ぶあなたへ
以前の私は失敗を恐れて自分の実力の範囲内でしか行動できない性格でした。しかしその枠内にとどまっていてはいつまでも範囲を広げられません。広げるには一度枠から飛び出し、実力の範囲外のことに挑戦してみる勇気と根性が必要なのだと、模擬国連での経験を通して学びました。コンフォートゾーンを抜け出し夢中で努力した経験は大きな自信につながります。あなたも、ここノートルダム清心女子大学で、自分の世界を広げて人生を豊かにするために学びませんか。
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