人間生活学科

2025.12.10

「浦安荘」を訪問しました|人間生活学科|福祉ゼミ

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2025年12月1日(月)、中井ゼミの2年生4人で「社会福祉法人 浦安荘」(岡山市南区浦安本町209)を見学させていただきました。

私たちが今回見学した浦安荘は、「温もりある地域社会の創造 ~安心・笑顔・希望のある人生の応援~」を理念に掲げる救護施設です。精神障害者福祉がほとんど整っていなかった約40年前に設立され、生活保護を受給しながら精神疾患を抱える人々が、地域で一日でも長く安心して暮らせるよう生活訓練や作業支援を行っています。入所者は18歳から高齢者まで幅広く、近隣の慈圭病院との連携を通して、医療と福祉の両面から支援を行っている点が特徴的な施設です。
見学では、副施設長の中山さんに案内していただきながら施設の理念や歴史、具体的な支援内容について学ぶことができました。施設は約80名が入所できる比較的大規模な建物であり、季節が12月だったこともあり、施設の至るところにクリスマスツリーや飾りつけが施されていました。単に生活の場としての機能だけでなく、季節感や楽しさを日々の暮らしの中に取り入れ、利用者が「ここで生活することの心地よさ」を感じられるような工夫が随所に見られました。

特に印象に残ったのは、「施設内のルールは利用者自身が話し合って決める」という点です。冷蔵庫やパソコンなどの共有物の使い方を、職員が一方的に決めるのではなく、利用者同士の話し合いを通してルール化しているという説明を受けました。自分たちで決めたルールであるからこそ納得感があり、守られやすい、これは単なるルールではなく、利用者の主体性を尊重し、自己決定を促す支援の一環であると感じました。
また、施設には「一人暮らし体験」のようなアパート型の部屋も併設されていました。ここでは実際の自立生活を想定した練習ができ、将来的に地域で一人暮らしを始める際の不安軽減につながっていると感じました。生活スキルを少しずつ安心した場所で身につけられる環境づくりが整っており、利用者の“これからの暮らし”を見据えた支援が印象的でした。
入浴面でも、基本は大浴場を使用しつつ、身体状況や精神的な負担を考慮して個別浴室も準備されているとの説明を受けました。利用者の多様なニーズを尊重し、柔軟に対応できる仕組みが整っている施設であると感じました。

見学後には、施設の目の前に併設されているワークステーション「コンドル」を訪れ、実際にパンを購入しました。ここではパンの製造・販売活動を通して、一般就労を目指す人や社会参加の機会を求める人に対し、就労支援が行われています。利用者が自分の役割を持ちながら地域とつながり、働く喜びを体感できる場として、大きな役割を果たしていることが分かりました。パンの販売は地域住民とも触れ合える貴重な機会であり、就労活動の一環であると感じました。
今回の見学を通して、浦安荘が単に「生活を支える場所」ではなく、利用者一人ひとりが自分らしく生きるための力を育む場であることを実感しました。支援者が利用者の思いを尊重し、共に生活をつくっていく姿勢は、今後福祉を学ぶ上で大きな学びとなりました。(中井ゼミ 篠原)

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