本年度の岡山県と岡山市の中学校教員採用試験に、本学英語英文学科の太田菜月さんと頓宮真泉さんが合格しました。難関の試験を突破したお二人に、これからの抱負や本学での学び、採用試験、そして教員を目指す後輩へのアドバイスなどをインタビュー形式で語っていただきました。
Q:いつ頃から教師になりたいと思いましたか。きっかけがあれば教えてください。
T:はっきり決めたのは大学3年の時です。模擬授業の学習指導案作りで、どうすれば分かりやすく面白い授業になるかを工夫するのがとても楽しく思えました。
O:私は子供が好きで、人前に立って教えることも好きだったので、小学生の頃から先生になりたいという気持ちはありましたが、確信したのは大学に入ってからです。
Q:教員採用試験の勉強は大変かとも思うのですが、特にどのようなところに力を入れましたか?
O:岡山市の採用試験は人柄が重視されると耳にしましたので、教職課程センターの吉田先生の丁寧なご指導のもとで、模擬授業や面接などの稽古を重ね、人と話す力を伸ばすことに注力しました。
T : まずは筆記試験に備えて、英語の基礎力を確かなものにし、その上で要点をコンパクトに話すことを心がけて、その指導もしていただきました。
水鏡の側で微笑む太田さんと頓宮さん。石蕗が満開です。
Q:本学で受けた授業で、教職との関係で特に印象に残る授業、また今振り返ると受講しておけばよかったと思う授業はありますか?
T:岡田紅理子先生の「自立力養成ゼミ」です。ハンセン病について弁護士や家族の方からお話を伺う中で、物事をそれぞれの立場から多面的に捉えることの重要性を学び、偏見や差別の問題を生徒に伝える時の立ち位置について実感しました。教職に就くにあたってもっと学んでおけばよかったと思っているのは心理学で、生徒の表情や行動にもっと敏感に反応するために役立つのではないかと考えます。
O:青山新吾先生の「特別支援教育基礎論」は、昨今支援を必要とする生徒が増えているという現状も踏まえて、一人一人の実情に合った支援の仕方を考えるのに大きな手助けになると思いました。また政治や憲法についての社会学系の知識は、生徒を教えていくために必要だと思うので、これから自分なりに学んでいこうと考えています。
Q:授業以外に学生生活で有意義だったと思う活動がありますか?
O:オーストラリアに1ヶ月留学したことです。ホームステイではオーストラリアの習慣を多く知り、語学学校では英語を母国語としない留学生とコミュニケーションをとる中で、簡単な表現で意思疎通を図ることの重要性を学びました。また岡山大学との合同サークルで、他府県出身の多様な学生と交流する中で、日本国内の多様性についても意識する良い機会になったと思います。
T:2年次に韓国に留学し、また国内留学プログラムに参加して市の施設でミシガンからの留学生と一緒に勉強する機会を持ちました。留学生に日本語の細かな用法や表現の違いを教える中で、母国語の正確な知識を得る必要性を実感しました。
Q : 三週間の教育実習でどんな気づきを得ましたか?
T:中学3年生のクラスを担当したのですが、生徒の学力にばらつきが出てくる中で、多様な生徒を一度に指導するのに有効なアクティヴィティや資料を考えると同時に、それぞれの実力に合わせた指導法を実践する必要を考えさせられました。世代の違う生徒から学ぶことも多くありました。
O:実習生が一人だけだったので、不安もありましたが、その分充実した丁寧な指導をしていただきました。タブレットを生徒が一台ずつ割り当てられている中で、そのタブレットをいかにメリハリをつけて有効に使うかにこれからの教育の課題も見出しました。それが卒論のテーマにも繋がったと思います。
Q:なるほど。卒論は12月1日が第一回目の提出日となっていますね。お二人の卒論のテーマについて教えてください。
O:タイトルは「英語科における生成AIの活用」です。英語科の授業の実践におけるAI使用の問題点と可能性について考えました。どうすればAIに頼りすぎず、適切なプロンプトを与えながら、生徒の考えを深めたり、家庭学習において有効に使えるようにできるかが焦点です。
Q: それはこれからの教育において重要な問題ですね。ではTさんの卒論は?
T:私の卒論のタイトルは「中学校英語科における洋楽を用いた音声指導」です。英文を見た時に頭の中にその音声を呼び起こしたり、英語特有のイントネーションや発音を習得するために必要な聴覚像の形成に、英語の歌を聴いたり歌ったりすることが果たす役割について考えています。これは、楽しく英語を学ぶことにもつながると思うので。
Q : それは面白い方法ですね。英語を声に出して読むことも同様の効果があるかもしれません。
Q:教員の道を目指す後輩たちにアドバイスを一言。
O:とにかく留学でもアルバイトでもサークル活動でも、できるだけ多くのことを経験し、大学時代に自分の引き出しを増やしておくことをお勧めします。
T:教員採用試験は結果が出るのが遅いので、他の友達がどんどん就職を決めていく中で焦ったりもします。ですから互いに支え合って、卒業後も喜びや悩みを分け合える仲間をたくさん作っておくといいと思います。
Q:どちらも大切なことですね。最後に、今振り返って、清心の英語英米学科の教職課程における学びをどう評価しますか?
O,T:ここで学べてとてもよかったと思います。最初から英語科の教員養成にターゲットが絞られていますし、少人数なので学生の一人一人を見て丁寧に指導していただけます。英語教育、学習支援、学校経営など、教職に関わるさまざまな分野のプロの先生方の指導が受けられたことも、すばらしい経験で、多くの気づきを得ることができました。
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