ノートルダムの風景

人間生活学科

2025.04.15

イースター(復活祭)|キリスト教文化研究所 西井麻美教授

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イースターは、「復活祭」のことで、十字架にかけられて亡くなったイエス・キリストが、その3日のちに復活したことをお祝いする、キリスト教の重要な祭日です。
イースター、復活祭は、325年のニケア公会議において「春分の次の満月のすぐ後の日曜日」と定められていて、固定された月日ではないので、年により、移動します。
また、同じキリスト教といっても、用いている暦(グレゴリウス暦、ユリウス暦など)によって、復活祭の日が異なっています。
2025年のイースターは、カトリックでは、4月20日です。

復活についての聖書の記載では、イエスの死により迫害を恐れ、おののいていた弟子達は、当初、イエスの復活という意味が良く分からず、とまどっていますが、集っている場に、イエスが‘現れ’、イエスの‘言葉’を聞いて、食事を共にしようとするうちに、心が鼓舞され、イエスの復活を信じるようになっていきます。

このような復活に係る場面は、マタイ福音書18章の「天国」に関するイエスと弟子達の対話の中で、「2人または3人が私(イエス)の名によって集まるところに、私(イエス)もその中にいる」という‘集い’の意義を示したイエスの言葉と重なる印象を与えます。

ヨーロッパや南北アメリカなどのキリスト教文化圏の地域では、イースターは、クリスマスと並ぶ大きな祭日として、一般家庭でも皆で集って、お祝いをします。

皆が集う場には、イースター・エッグが飾られ、郷土料理が並べられます。
卵が、イースターの象徴とされているのは、卵から、新たな命が生まれることで、「再生」と「希望」をイメージできることが、一つの要因だと言われています。
また、近年では、ダチョウの卵大ほどもある大きなイースター・エッグチョコレートが 商店街に沢山並び、人々は親しい人にプレゼントするために購入して贈ることも、人気です。

キリスト教圏の人々にとって、イースターは、クリスマスと同様の、皆で集い、祈り、交流して、お祝いをする素敵な祭日なのです。
 

ベルギー・アントワープの聖母大聖堂に飾られている ルーベンス作「キリストの復活」 中央:キリストの復活、右:聖マルティナ、 左:洗礼者ヨハネ(撮影:西井麻美)ベルギー・アントワープの聖母大聖堂に飾られている ルーベンス作「キリストの復活」 中央:キリストの復活、右:聖マルティナ、 左:洗礼者ヨハネ(撮影:西井麻美)

ポルトガルの料理(撮影:西井麻美)ポルトガルの料理(撮影:西井麻美)

ブラジルのイースター・エッグチョコレート〔提供:加藤浩水(リオデジャネイロ在住)〕と石細工 (撮影:西井麻美)ブラジルのイースター・エッグチョコレート〔提供:加藤浩水(リオデジャネイロ在住)〕と石細工 (撮影:西井麻美)

キリスト教文化研究所所員・児童学科教授 西井麻美

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