現代社会学科では、2024年10月30日(水)に、田中智子先生(京都大学大学院教育学研究科教授)を講師としてお招きして、第11回学術講演会「近代岡山女子教育の草創とキリスト教界-「高尚な」学びの射程」を開催しました。今回の講演会は、シスター来日100周年記念事業の一環でもあり、学内の学生・教職員のほか、学外からの参加者もありました。
講演では、近代岡山における女子教育の成立過程が、史料にもとづいて丁寧に説明されました。
明治前期という学校制度がまだかっちり定まっていない時代に、岡山地域では「高尚な」学びとしての女子教育のあり方をめぐって多彩な動きが生じていたこと、そのなかで海外からの宣教師をはじめとするキリスト教勢力が重要な役割を演じたことが、詳細に跡づけられました。
講演を通じて、地域でさまざまな可能性のあった近代女子教育の「草創」期の特質が浮かび上がるとともに、女子教育の歴史がまだ多くの検討課題の残されている刺激的なテーマであることも実感されました。
まさに現在の研究の最前線を伝えていただいた講演内容で、学生の参加者アンケートには、
「「岡山」という土地に視点をすえてキリスト教勢力と教育の関係を詳しく知れた。とても興味深く、私に新しい視点をもたらしてくれる講演だった。」
「明治前期の教育改革について、自身になじみのある視点から理解することができ、非常に興味深かった。」
「近代における岡山県での女子教育が、かなり早い段階から必要と認識され、そして学校が多くの開校されていたのに驚きました。そのおかけで現在の本学があるのだということも理解できました。」
といった感想が寄せられました。