前回に引き続き、社会文化学専攻2年生の横山浩花さんが参加した「第68回国連女性の地位委員会 68th session of the Commission on the Status of Women」の報告です。
ユースのイベントへも参加しました(写真1)。去年からユース主体の会議、Interactive Dialogue with Youth Representatives on the Priority Theme(ユースダイアログ)は本会議(閣僚級のみ参加)と同じスケジュールに組み込まれ、CSWがユースの意見を大切にしようとしていることが伺えます。(実際はそうでもない部分もあり課題も多く感じました)ユースダイアログでは各国のユース代表たちが3分間の中で優先テーマに関するスピーチをします。日本のユース代表は、「代表性」をキーワードに日本や世界各国の政治分野におけるジェンダー不平等について指摘し、周辺化された人(いわゆるマイノリティ)が指導的地位につけるようにエンパワーメントと経済的支援、障壁と取り除くための具体的な措置が必要であると主張をしました。世界のユースたちのリーダーシップを実際に肌で感じ、とても刺激を受けました。
CSW開催期間中に、国連にあるナミュール・ノールダム修道女会のシスターイザベラに2回お会いしました。(写真2)突然の訪問にも関わらず温かく迎えてくださり、大学院での研究やCSWで参加したイベントについてお話をさせていただきました。
ニューヨークで過ごした2週間は、私の人生に大きな影響を与えるものだったと思います。地方から発信することや草の根の取り組みの重要性を再認識する機会となりました。
また、声をあげ、行動に起こし、実際に憲法や政策決定機関に影響を与えるほど市民社会は力を持っていることを証明し続けているNGOやアクティビストたちと出会い、世界には本当に多くの仲間がいることを感じ、エンパワーメントされました。
加えて、日本のNGOから来ていたユースたちとも交流をしました。政治学、家族社会学、心理学、法学、社会医学、看護師、国際協力、国際関係学など専攻は違ってもジェンダーという共通点があり、様々な側面からジェンダーについて学ぶことができとても充実した時間でした。
現在、日本の5つのNGOからCSW68へ派遣されたユースたちがNGOの枠を超え活動を行おうとしています(日本ではおそらく初めての試みです)日本のCSWの認知度の低さや、ユースの意見がまだまだ届きにくいという課題を感じ結成しました。その第一歩として、2024年9月29日に「CSW68ユース報告会」を開催します。ジェンダーや国際会議に興味のある方を対象にCSWについて説明するとともに、ユースからの報告、外務省の方からもコメントをいただく予定です。今後もユースたちと協働し、岡山からしっかりと発信して私がCSWでエンパワーメントされたように今度は私もエンパワーメントしていきたいと思います。
横山のCSW68の報告書:一般社団法人大学女性協会のHPより
https://www.jauw.org/activity/2024csw68report2/
◇CSWについて説明しているサイト
・UN WomenのHP 「Commission on the Status of Women」より
https://www.unwomen.org/en/how-we-work/commission-on-the-status-of-women
・NGO CSW/NYのHP
https://ngocsw.org/
・国立女性教育会館、2024、『第68回国連女性の地位委員会(CSW)早わかり』
https://www.nwec.go.jp/about/publish/vnas9r0000002c1b.html
・JAWW(日本女性監視機構)のHP 「CSWについて」より
https://jaww.info/aboutcsw.html
おまけ(後編)
・大学院
・社会文化学専攻
・【大学院を知ろう|文学研究科シリーズ】