2024.04.05
ブログ「大学院を知ろう」シリーズでは本学大学院で学んでいる大学院生にインタビューし、いま感じていることを語っていただきます。
今回は、2024年3月に大学院を修了した清水貴美子さん(日本語日本文学専攻 博士前期課程(修士課程)修了)です。清水さんは、万葉集の中の歌に見られる「ほととぎす」を研究しました。清水さんによると「ほととぎす」は<追慕>のイメージと重なるそうですが、それがどのように詠まれているか、万葉の人々にとって「ほととぎす」のイメージはどのようなものだったか、について研究を進めました。
―清水さんは本年1月に修士論文を提出され、3月に学位を取得され課程を修了されました。2年間はあっという間だったかと思いますが、この2年間で、ご自分でここは頑張ったということを教えていただけますか?
【批判的であること】
研究に関していえば、集めた先行論文を批判的に読むことです。学部生のころは先行論文をそのまま受け止めることが多かったように思いますが、大学院に入ってからは、論文を読むときに「それは本当かな?」と思いながら読むようになりました。その論文の中に自分が納得できないところがあれば、その問題点を検討しながら、他の論文を読んだり、用例を集めたりして、先行論文とは違うアプローチで調べるようにしました。そしてそのことによって、私自身の新しい読みを提示できるように心がけました。
【人に伝えるということ】
私は自分の考えを人に分かりやすく伝えるのが苦手なのですが、研究発表を行うときには、見やすい資料作りを心がけ、それを使って論理的に伝えることを努力しました。研究発表会では、和歌の分析の浅さや論理的な弱さについて先生方からご指摘をいただくことがありましたし、もっと妥協せずにやれたような気もしますが、自分としては「今の時点ではやりきった」、という思いがあります。自分の苦手なところに改めて向き合うことができたという充実感があります。
―本学の大学院で学んでよかったなと思うことがあったら教えてください。
院生が少なく、先生方とマンツーマンの授業を経験しました。私の研究の参考になるような論文を読んだりする他に、今まで持っていなかった視野を持てるような授業をしてくださいました。他の履修者がいないということは、毎週自分の経過報告をしたりするということでもありますので大変ではありましたが、とても濃い時間だったと感じています。
―院生という生活についてはどうでしたか?
修士課程2年生になった時に、1年生が入ってきましたので後輩ができました。授業で、自分が先輩だから後輩の為になるような発言をしなくては、と思った時期もありましたが、結局は、後輩から刺激を受けることもあり、お互いに学びあうということができるんだなと気づきました。研究発表会がある時には私が司会役をすることもあり、失敗もしましたが、とてもよい経験になりました。後輩たちにもこの経験を伝えて、参考にしてもらうことができるのではないかと思っています。
その他のことですが、本学には院生室が用意されていて、また院生研究費もあるので、とてもありがたかったです。
―学部生たちに伝えることはありますか?
もし研究したいことがあるなら、大学院でそれを深めることができますよ。院生室や図書も揃っていてとても充実した時間を過ごすことができます。
ぜひ好きなことをつきつめていってください!
今回は、2024年3月に大学院を修了した清水貴美子さん(日本語日本文学専攻 博士前期課程(修士課程)修了)です。清水さんは、万葉集の中の歌に見られる「ほととぎす」を研究しました。清水さんによると「ほととぎす」は<追慕>のイメージと重なるそうですが、それがどのように詠まれているか、万葉の人々にとって「ほととぎす」のイメージはどのようなものだったか、について研究を進めました。
<清水貴美子さん 日本語日本文学専攻修了 (古代中世文学分野)>
(インタビュー2024年3月)
―清水さんは本年1月に修士論文を提出され、3月に学位を取得され課程を修了されました。2年間はあっという間だったかと思いますが、この2年間で、ご自分でここは頑張ったということを教えていただけますか?
【批判的であること】
研究に関していえば、集めた先行論文を批判的に読むことです。学部生のころは先行論文をそのまま受け止めることが多かったように思いますが、大学院に入ってからは、論文を読むときに「それは本当かな?」と思いながら読むようになりました。その論文の中に自分が納得できないところがあれば、その問題点を検討しながら、他の論文を読んだり、用例を集めたりして、先行論文とは違うアプローチで調べるようにしました。そしてそのことによって、私自身の新しい読みを提示できるように心がけました。
【人に伝えるということ】
私は自分の考えを人に分かりやすく伝えるのが苦手なのですが、研究発表を行うときには、見やすい資料作りを心がけ、それを使って論理的に伝えることを努力しました。研究発表会では、和歌の分析の浅さや論理的な弱さについて先生方からご指摘をいただくことがありましたし、もっと妥協せずにやれたような気もしますが、自分としては「今の時点ではやりきった」、という思いがあります。自分の苦手なところに改めて向き合うことができたという充実感があります。
―本学の大学院で学んでよかったなと思うことがあったら教えてください。
院生が少なく、先生方とマンツーマンの授業を経験しました。私の研究の参考になるような論文を読んだりする他に、今まで持っていなかった視野を持てるような授業をしてくださいました。他の履修者がいないということは、毎週自分の経過報告をしたりするということでもありますので大変ではありましたが、とても濃い時間だったと感じています。
―院生という生活についてはどうでしたか?
修士課程2年生になった時に、1年生が入ってきましたので後輩ができました。授業で、自分が先輩だから後輩の為になるような発言をしなくては、と思った時期もありましたが、結局は、後輩から刺激を受けることもあり、お互いに学びあうということができるんだなと気づきました。研究発表会がある時には私が司会役をすることもあり、失敗もしましたが、とてもよい経験になりました。後輩たちにもこの経験を伝えて、参考にしてもらうことができるのではないかと思っています。
その他のことですが、本学には院生室が用意されていて、また院生研究費もあるので、とてもありがたかったです。
―学部生たちに伝えることはありますか?
もし研究したいことがあるなら、大学院でそれを深めることができますよ。院生室や図書も揃っていてとても充実した時間を過ごすことができます。
ぜひ好きなことをつきつめていってください!
(聞き手:日本語日本文学専攻 事務担当 前谷明子)