2024.01.01
【著者紹介】
近藤 友子(こんどう ともこ)
図書館情報学 司書課程担当
図書館における障害者サービスについて研究しています。
近藤 友子(こんどう ともこ)
図書館情報学 司書課程担当
図書館における障害者サービスについて研究しています。
図書館を楽しむ~さまざまな催しと図書館~
1. 図書館ってどんなところ?
皆さんは「図書館」という語を聞いたときにどのようなイメージを持たれますか?本を借りるところ、もしくは調べものをするところのイメージが強いでしょうか。一般的には多くの本があり、そこで自由に興味・関心のある本を読んだり、調べものができて、無料で本を借りることができる場所というイメージがあると思います。もちろん図書館ではこうしたイメージ通りのサービスを展開していますが、さまざまな催しも開催して利用する人たちへ図書館サービスをお届けしています。
少し専門的な話になりますが、図書館は図書館法という法律によって設置や運営に関して必要な事項が定められています。図書館法の第一条において、健全な発達を図り、国民の教育と文化の発展に寄与することを目的とすることがあげられています。また第二条では定義として資料の収集や整理、保存と一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設であるとされており、図書館は教育や文化の発展に関わる施設であることもわかります。
法律という少し硬い話になりましたが、図書館は学ぶための資料の収集や保存、提供を行っている場所であり、調べものをしたり、興味のある本を借り出すことのできる場としての役割を持っています。また、近年は図書館の「場」としての役割を捉えて居場所としての図書館を考えることや、病気になった人やその家族の人たちの闘病体験の資料を集めた闘 病記文庫 の設置など、寄り添う場としての意味を持つ図書館もあります。図書館は「場としての役割」をもつ場所ともいえます。
2. さまざまな催しと図書館サービス
さて、図書館で開催されるさまざまな催しから図書館サービスを考えてみたいと思います。図書館は本の貸出・返却を中心とした図書館サービスを実施しており、利用者は貸し出しされた資料を好きな場所に持っていき利用することができます。また図書館内にある資料を閲覧したり複写するサービスも利用できます。こうした利用に関するサービス以外に、図書館内ではさまざまな催しも開催して利用者へのサービスを展開しています。ここでは図書館での主な催しについてご紹介します。
・映画会・講演会・音楽会など
少し広いスペースやホールなどで、一度に大勢の人が参加できる催しです。これらは土日祝日など人が多く集まりやすいときに開催されることが多いです。成人を対象者として実施することが多いですが、音楽会などは気軽に多くの人が楽しむことができ、場としての役割の広さを考えさせられます。
・読み聞かせ
公共図書館では平日に赤ちゃん向けや幼児向けの読み聞かせのサービスを実施しているところがあります。読み聞かせは、対象者の年齢にあわせた絵本を数冊準備し、本を読んで内容を楽しんでもらいます。公共図書館ではお話をするための専用の部屋を持っているところもありますが、読み手と聞き手が同じ空間で作品の世界を楽しむことができ、本の世界を楽しむ至福の時間ともいえます。
・紙芝居
参加者同士が物語を一緒に楽しむものとしては紙芝居もあります。紙芝居の楽しさは読み手の演者と参加者の観客が、作品の世界を一緒にワクワク・ドキドキと共感しながら読み進めていくところです。児童サービスとして子ども向けに行うことが多いですが、図書館サービスの一環として高齢者施設を訪問した際には図書館員が紙芝居を演じることもあり 、子どもの頃に楽しんだ紙芝居を楽しんでもらうサービスを展開している図書館もあります。
・パネルシアター
パネルボードの上に不織布で作った絵人形を貼ったり、はがしたり、動かすなどの動作を加えながら、さまざまに変化する人形の様子やお話を楽しみます。ときには手遊び歌を交えながら参加者と一緒にお話を盛り上げたり、演者によってはクイズを入れるなどして場を楽しい遊びの空間にしていきます。
以上のような催しを、公共図書館では図書館サービスとして取り組んでいます。他にも皆さんの身近な図書館でどのような催しが実施されているか是非調べてみてください。展示会や季節にあわせた本の紹介イベントなどを実施しているところもあると思います。
3. さいごに:大学図書館等の取り組み紹介
さいごに本学のノートルダム清心女子大学附属図書館での面白い取り組みをご紹介します。以前になりますが、お正月が明けてすぐの1月に「おみくじ本」という催しを開催していました(写真1)。 これは図書館員のほうであらかじめ選んだ本を見えないようにラッピングをして番号をつけて配置しておきます。利用者はおみくじを引いて当たった番号の本を借りて帰ることができるというものです(写真2)。利用者にとっては、おみくじでどんな本があたるかドキドキと楽しめて、またラッピングをはずしながらどんな本が当たったのかを見るワクワク感を楽しめます。そして最後にはもちろんおみくじ本で当たった本を読むことができ、いつもの自分では選ばないような新しい本との出会いを楽しめます。面白い取り組みだと思いませんか?図書館ではこうしたさまざまな取り組みを考えて行っています。是非皆さんも図書館のワクワクできる催しを探してみてください。
皆さんは「図書館」という語を聞いたときにどのようなイメージを持たれますか?本を借りるところ、もしくは調べものをするところのイメージが強いでしょうか。一般的には多くの本があり、そこで自由に興味・関心のある本を読んだり、調べものができて、無料で本を借りることができる場所というイメージがあると思います。もちろん図書館ではこうしたイメージ通りのサービスを展開していますが、さまざまな催しも開催して利用する人たちへ図書館サービスをお届けしています。
少し専門的な話になりますが、図書館は図書館法という法律によって設置や運営に関して必要な事項が定められています。図書館法の第一条において、健全な発達を図り、国民の教育と文化の発展に寄与することを目的とすることがあげられています。また第二条では定義として資料の収集や整理、保存と一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設であるとされており、図書館は教育や文化の発展に関わる施設であることもわかります。
法律という少し硬い話になりましたが、図書館は学ぶための資料の収集や保存、提供を行っている場所であり、調べものをしたり、興味のある本を借り出すことのできる場としての役割を持っています。また、近年は図書館の「場」としての役割を捉えて居場所としての図書館を考えることや、病気になった人やその家族の人たちの闘病体験の資料を集めた闘 病記文庫 の設置など、寄り添う場としての意味を持つ図書館もあります。図書館は「場としての役割」をもつ場所ともいえます。
2. さまざまな催しと図書館サービス
さて、図書館で開催されるさまざまな催しから図書館サービスを考えてみたいと思います。図書館は本の貸出・返却を中心とした図書館サービスを実施しており、利用者は貸し出しされた資料を好きな場所に持っていき利用することができます。また図書館内にある資料を閲覧したり複写するサービスも利用できます。こうした利用に関するサービス以外に、図書館内ではさまざまな催しも開催して利用者へのサービスを展開しています。ここでは図書館での主な催しについてご紹介します。
・映画会・講演会・音楽会など
少し広いスペースやホールなどで、一度に大勢の人が参加できる催しです。これらは土日祝日など人が多く集まりやすいときに開催されることが多いです。成人を対象者として実施することが多いですが、音楽会などは気軽に多くの人が楽しむことができ、場としての役割の広さを考えさせられます。
・読み聞かせ
公共図書館では平日に赤ちゃん向けや幼児向けの読み聞かせのサービスを実施しているところがあります。読み聞かせは、対象者の年齢にあわせた絵本を数冊準備し、本を読んで内容を楽しんでもらいます。公共図書館ではお話をするための専用の部屋を持っているところもありますが、読み手と聞き手が同じ空間で作品の世界を楽しむことができ、本の世界を楽しむ至福の時間ともいえます。
・紙芝居
参加者同士が物語を一緒に楽しむものとしては紙芝居もあります。紙芝居の楽しさは読み手の演者と参加者の観客が、作品の世界を一緒にワクワク・ドキドキと共感しながら読み進めていくところです。児童サービスとして子ども向けに行うことが多いですが、図書館サービスの一環として高齢者施設を訪問した際には図書館員が紙芝居を演じることもあり 、子どもの頃に楽しんだ紙芝居を楽しんでもらうサービスを展開している図書館もあります。
・パネルシアター
パネルボードの上に不織布で作った絵人形を貼ったり、はがしたり、動かすなどの動作を加えながら、さまざまに変化する人形の様子やお話を楽しみます。ときには手遊び歌を交えながら参加者と一緒にお話を盛り上げたり、演者によってはクイズを入れるなどして場を楽しい遊びの空間にしていきます。
以上のような催しを、公共図書館では図書館サービスとして取り組んでいます。他にも皆さんの身近な図書館でどのような催しが実施されているか是非調べてみてください。展示会や季節にあわせた本の紹介イベントなどを実施しているところもあると思います。
3. さいごに:大学図書館等の取り組み紹介
さいごに本学のノートルダム清心女子大学附属図書館での面白い取り組みをご紹介します。以前になりますが、お正月が明けてすぐの1月に「おみくじ本」という催しを開催していました(写真1)。 これは図書館員のほうであらかじめ選んだ本を見えないようにラッピングをして番号をつけて配置しておきます。利用者はおみくじを引いて当たった番号の本を借りて帰ることができるというものです(写真2)。利用者にとっては、おみくじでどんな本があたるかドキドキと楽しめて、またラッピングをはずしながらどんな本が当たったのかを見るワクワク感を楽しめます。そして最後にはもちろんおみくじ本で当たった本を読むことができ、いつもの自分では選ばないような新しい本との出会いを楽しめます。面白い取り組みだと思いませんか?図書館ではこうしたさまざまな取り組みを考えて行っています。是非皆さんも図書館のワクワクできる催しを探してみてください。