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日本語日本文学科

2023.11.20

【活動報告】2023年度 東城ゼミ万葉旅行の実施  ―インバウンドの実感と真の国際化とは? ― |日本語日本文学科

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日本語日本文学科

学科ダイアリー

授業・研究室

【著者紹介】
東城 敏毅 (とうじょう としき)
古典文学(上代)担当

奈良時代の文学、『万葉集』や『古事記』『風土記』について研究をすすめています。
 

2023年度 東城ゼミ万葉旅行の実施
―インバウンドの実感と真の国際化とは? ―

 
 
 日本語日本文学科の東城ゼミでは、今年度も夏休み中に、万葉旅行を実施しました。東城ゼミでは、『古事記』『万葉集』を中心に卒論ゼミを実施している関係上、奈良や京都等、古代文学を理解する重要地を散策することは、古代文学を体感することにつながるはずだ、というコンセプトのもと、毎年万葉旅行を実施しています。
 以上の趣旨のもと、8月22日から24日までは、3年生ゼミ生のうち参加希望6名とともに飛鳥を中心とした奈良を、9月5日から7日までは、4年生ゼミ生のうち参加希望の7名とともに、京都を巡ってきました。
 3年生ゼミ旅行では、飛鳥をレンタサイクルで回り、飛鳥の地を暑さとともに実感するとともに、奈良県立万葉文化館では、企画・研究係長の井上さやか先生、主任研究員の阪口由佳先生に、万葉文化館をご案内いただき、多くのご教示を賜りました。また、東大寺や興福寺、春日大社・唐招提寺・薬師寺等、著名な寺社仏閣を巡るとともに、平城宮跡では、往時のおもかげから、飛鳥の都との大きさの差を実感し、平城京や万葉集の多彩な魅力を、資料や展示物からさらに深めてきました。

平城宮跡朱雀門(3年)

平城宮跡朱雀門(3年)

石舞台古墳(3年)

石舞台古墳(3年)

 4年生ゼミ旅行では、鞍馬寺・貴船神社から北野天満宮・御所、宇治平等院から伏見稲荷大社等、北から南に、京都を縦断してみました。奈良時代とは異なる、平安の都の大きさを体感できたはずです。また貴船神社沿いの川床でのお茶は、暑さの中の一時の川風の涼しさを身に染みて感じ取りました。3年・4年生ともに、2泊3日の行程をともにし、3年生のゼミ生は、これからの1年半、ともに学ぶ基盤づくりとして、4年生のゼミ生は、卒業論文への糧と、学生生活残り半年の思い出としても、皆、笑顔で元気で研修してきました。

伏見稲荷大社(4年)

伏見稲荷大社(4年)

鞍馬寺(4年)

鞍馬寺(4年)

 さて、今年度は昨年度と大きく異なっていることが一つありました。それは、どこにいっても観光客が戻っていたことです。修学旅行生はもちろん、海外からの観光客の多さには、驚愕さえ覚え、まさしく、インバウンドを実感した旅行になりました。海外からの観光客は、日本の寺社仏閣を巡っていますが、お寺に行っては合掌し、神社を回っては、柏手を打つ。さて、そのような時、私たちはそれぞれの所作の意義や違いを、海外の観光客に説明することができるでしょうか? いつの時代も、声高に「国際化・国際化」とよく叫ばれますが、英語が流暢に話せることだけが国際化ではありません(それも当然必要です。ただし、なぜ英語なのかは意識しなくてはなりません)。日本文化を、海外の方に片言の外国語でもいい、またゆっくりとした「やさしい日本語」でもいい、丁寧に説明できることが国際化なのではないでしょうか? そのためには、自国の文化・文学をしっかりと徹底的に学んでおくこと、古代文学を実感しながら学んでおくこと、これこそが国際化の第一歩ではないでしょうか。案外、海外の方は、日本人以上に、『源氏物語』や村上春樹を読んでいるものなのです。ちなみに、京都の写真2枚は、海外の方に撮っていただいたものです。このような交流も、昨年度とは大きく異なる今年度の光景でした。
 このゼミ旅行が学生たちの記憶に少しでも残っていただくことを、心より期待していますし、この旅行が一つの学びのきっかけになったならば、これほどの喜びはありません。私自身、学生たちとゼミ旅行を昨年度から引き続き実施できたことは、心に刻まれる思い出となり、陳腐な言葉ですが、「真の国際化とは?」を再考するきっかけにもなりました。
 

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