(1)『環境社会学事典』刊行!
2023年3月末に『環境社会学事典』(共著)を刊行しました!中項目の一つ「環境運動の分析視角」を、濱西(社会集団組織論・環境社会学)は担当しています。
日本では1960年代から公害が社会問題化し、瀬戸内海や中四国でもさまざまな環境問題が発生しました。社会学者は、昔から地域住民や政府と連携しながら環境問題の分析や解決に取り組んできましたが、環境問題や環境政策、エコロジー、自然・動植物との共生などについて社会学的に研究する専門分野が「環境社会学」です。
その環境社会学者が1992年に設立したのが「環境社会学会」で、その30周年記念事業として刊行されたのが今回の『環境社会学事典』です。たくさんの環境社会学者が協働して、3年かけて完成させました。
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環境社会学会編、2023、『環境社会学事典』丸善出版
目次
第I部 〈人-自然〉の変容と社会 ・・・ 第1章 人と自然の付き合い方 / 第2章 近代化の矛盾としての公害・環境問題 / 第3章 日本における環境社会学のルーツ / 第4章 環境社会学のポジショナリティ
第II部 環境問題の現場から考える ・・・ 第5章 加害-被害構造論 / 第6章 受益圏・受苦圏論と社会的ジレンマ論 / 第7章 生活環境主義とコモンズ論 / 第8章 環境正義・環境思想 / 第9章 環境に関わる社会運動・NPO・ボランティア / 第10章 海外の環境社会学研究
第III部 環境のリアリティに向き合う ・・・第11章 歴史的環境の社会学 / 第12章 観光と環境の社会学 / 第13章 災害と環境の社会学 / 第14章 軍事と環境社会学 / 第15章 発展途上国の開発・保全と環境 / 第16章 環境社会学と地域づくり
第IV部 環境社会学のフロンティア ・・・第17章 政策研究と実践 / 第18章 科学技術とリスクのガバナンス / 第19章 食と農 / 第20章 エネルギーと環境 / 第21章 人新世の環境社会学
付録:環境社会学会30年の歩み
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より詳しい目次は以下のページからどうぞ
●出版社のホームページ
●環境社会学会のホームページ
(2)現代社会学科では、環境問題やエコロジー、エコツーリズム、自然・動植物との共生、環境社会学について、「現代社会学特講3」(濱西担当)の授業や濱西ゼミで学び、研究することができます。
これまで濱西ゼミでは、環境省中国四国事務所と連携して瀬戸内海国立公園・日生地区の観光PRをしたり、福武教育文化振興財団と連携して瀬戸内国際芸術祭のSNS広報をしたり、芸術祭の背景にある海の環境問題の歴史を学んだり、アースデイ岡山に皆で参加してSDGsについて実践をしたりしてきました。
ゼミ生の研究テーマは、海洋プラスチックゴミ問題やフードロス問題、SDGs、動物虐待や豊島問題や水島公害、さらにリニア中央新幹線や岡山空港、苫田ダム、チボリ公園といった大規模公共事業、風力発電やメガソーラー、歴史遺産や文化遺産などにもひろがっています。
実は、環境社会学は、大都市の大学生よりも地方大学の大学生のほうが、はるかにとりくみやすいところがあります。瀬戸内海や中四国には全国的に、また世界的に知られる環境問題がいくつもありますし、まだまだ知られていない環境問題やエコロジーの活動もたくさんあります。地元の皆さんだからこそ調査協力が得られること、明らかにできることは本当に多いんですね。ぜひ「環境社会学」をいっしょに学んで、研究してみませんか?
・2022年度:濱西による環境社会学関連講座・講演の様子
11月17日(木)「SDGsと食品ロス削減」セミナーにおいて「国連SDGsの基本と清心の取組み」
12月17日(土)大学公開講座「SDGs講座」において「瀬戸内・岡山の環境とSDGs」
12月15日(木)ロータリークラブにおいて「瀬戸内の海洋プラスチックごみの問題:社会科学(環境社会学)の視点から」
・現代社会学科
・濱西栄司教授(教員紹介)
・濱西栄司教授のブログを読んでみよう!