2023.05.16
2022年度に本学を卒業した日本語日本文学科の学生たちに、卒業論文に取り組んだ体験について「WEB卒論」として語ってもらいました。あわせてゼミの教員からも、学生の卒業論文についてコメント・解説をしてもらうとともに、ゼミの紹介もしてもらいました。全5回です。
第4回は江草ゼミと山根ゼミです。
第4回は江草ゼミと山根ゼミです。
江草ゼミ
久門杏優さん
卒論題目:原作との比較から見るジブリ映画『ハウルの動く城』
私は、ジブリ映画『ハウルの動く城』について、原作との比較から宮崎駿の意図を掴むという研究を行ってきました。自分が最も好きな映画ということもあり、書きたいことはたくさんありましたが、それらを分かりやすい文章でまとめることに苦戦しました。その際に江草先生に相談したり、今までに受講した講義で学んだ論文の書き方や文章表現を用いたりと、自分の考えが最も伝わる文章を書くことができるよう努めました。
卒論を書くことで、作品について深く理解できたことに加え、自分の考えを客観的に見つめ直せるようになりました。また、相手に考えを伝える力を養えたと感じています。この力は、社会に出た際に生かしていきたいと思っています。
卒論担当教員(江草)から
江草ゼミでは平安末期〜南北朝時代の和歌を中心とした文学作品や、表現媒体を異にする作品享受の問題に関する卒論研究を主に行なっています。今回久門さんが取り組んだのは、原作小説『ハウルの動く城』の読者(享受者)である宮崎駿が、同作品の表現媒体をアニメ映画に変えて表現する際に求めた主題が何であったのかを、原作と映画を詳細に比較することで明らかとするものでした。
先行する作品を用いて新たな表現を生み出す手法は、古くからあるものです。指導教員の専門の中世文学では、和歌に物語を取り入れる際に物語場面をそのまま詠むのではなく、敢えてずらして和歌に取り込むということがされます。『ハウルの動く城』を対象にした久門さんの卒論は、現代作品の享受問題の一端を明らかにする上で意義のあるものでした。
自身の考察を整理し論理的な文章にすることは容易にできることではなく、久門さんは何度も添削を繰り返し書き直して卒論を仕上げました。自分の考えを伝えることを諦めない姿勢は実に素晴らしく、きっと社会に出てもしっかり自分の仕事をやり遂げることができるだろうと確信しております。
久門杏優さん
卒論題目:原作との比較から見るジブリ映画『ハウルの動く城』
私は、ジブリ映画『ハウルの動く城』について、原作との比較から宮崎駿の意図を掴むという研究を行ってきました。自分が最も好きな映画ということもあり、書きたいことはたくさんありましたが、それらを分かりやすい文章でまとめることに苦戦しました。その際に江草先生に相談したり、今までに受講した講義で学んだ論文の書き方や文章表現を用いたりと、自分の考えが最も伝わる文章を書くことができるよう努めました。
卒論を書くことで、作品について深く理解できたことに加え、自分の考えを客観的に見つめ直せるようになりました。また、相手に考えを伝える力を養えたと感じています。この力は、社会に出た際に生かしていきたいと思っています。
卒論担当教員(江草)から
江草ゼミでは平安末期〜南北朝時代の和歌を中心とした文学作品や、表現媒体を異にする作品享受の問題に関する卒論研究を主に行なっています。今回久門さんが取り組んだのは、原作小説『ハウルの動く城』の読者(享受者)である宮崎駿が、同作品の表現媒体をアニメ映画に変えて表現する際に求めた主題が何であったのかを、原作と映画を詳細に比較することで明らかとするものでした。
先行する作品を用いて新たな表現を生み出す手法は、古くからあるものです。指導教員の専門の中世文学では、和歌に物語を取り入れる際に物語場面をそのまま詠むのではなく、敢えてずらして和歌に取り込むということがされます。『ハウルの動く城』を対象にした久門さんの卒論は、現代作品の享受問題の一端を明らかにする上で意義のあるものでした。
自身の考察を整理し論理的な文章にすることは容易にできることではなく、久門さんは何度も添削を繰り返し書き直して卒論を仕上げました。自分の考えを伝えることを諦めない姿勢は実に素晴らしく、きっと社会に出てもしっかり自分の仕事をやり遂げることができるだろうと確信しております。
山根ゼミ
岡本亞美さん
卒論題目:武者小路実篤論―他者の捉え方からみる武者小路実篤の人間観―
私は武者小路実篤について3年次から研究をしてきました。私の所属するゼミでは、論文の書き方や分析の仕方を先生と先輩方が指導してくださり、不安なく研究に取り組めました。
研究面では、緻密な作品分析をめざし作家の文章表現や生き方を深く理解する中で、自分自身の人間観を見つめ直し、洗練することができました。
また、ゼミの運営も学生が行っており、社会で働くために大切な積極性や協調性を育むことのできる場になっています。ゼミ生とは、互いに協力し支え合うことが多く、その人の性質と魅力を深く理解できるようになりました。
このように、ゼミで培った表現力や主体性は、社会へ出ても他者と関係を築き上げることに生かせるものだと思っています。
卒論担当教員(山根)から
1年から積み上げた基礎演習・講読・特講での研究方法を基礎とし、作品に関連する同時代資料などの調査を生かしながら、自分ならではの堅実な卒論をめざします。そうした個人的な研究内容の深まりに加え、本ゼミでは、人格形成にも良き成長をもたらす〈縦のつながり〉と〈横の交流・協力〉を大切にし、日常のゼミのほかに「卒論中間発表会」(※1)、卒論提出後のクリスマスにあわせた「感謝の集い」(※2)の場を設けています。ゼミ生同士が意見交換し切磋琢磨しながら、自己の研究を開かれた形で他者に対して説得的に伝えることのできる論に仕上げようとするとき、独りよがりではない真の独自性が徐々に育まれており、その成長に毎年感動しています。
岡本さんは、毎回のゼミ冒頭挨拶で、〈目標と心がけ〉を適確に語ってゼミのリーダーシップをとってくれました。卒業前の最後のゼミでは、全員がゼミを振り返って「皆のためになる意見を言えるようになった」「状況に応じた計画や工夫をするすべを身につけることができた」「自信がなかった自分に自信が持てるようになった」と満足感に満ちた笑顔で語りあうことができました。
岡本亞美さん
卒論題目:武者小路実篤論―他者の捉え方からみる武者小路実篤の人間観―
私は武者小路実篤について3年次から研究をしてきました。私の所属するゼミでは、論文の書き方や分析の仕方を先生と先輩方が指導してくださり、不安なく研究に取り組めました。
研究面では、緻密な作品分析をめざし作家の文章表現や生き方を深く理解する中で、自分自身の人間観を見つめ直し、洗練することができました。
また、ゼミの運営も学生が行っており、社会で働くために大切な積極性や協調性を育むことのできる場になっています。ゼミ生とは、互いに協力し支え合うことが多く、その人の性質と魅力を深く理解できるようになりました。
このように、ゼミで培った表現力や主体性は、社会へ出ても他者と関係を築き上げることに生かせるものだと思っています。
卒論担当教員(山根)から
1年から積み上げた基礎演習・講読・特講での研究方法を基礎とし、作品に関連する同時代資料などの調査を生かしながら、自分ならではの堅実な卒論をめざします。そうした個人的な研究内容の深まりに加え、本ゼミでは、人格形成にも良き成長をもたらす〈縦のつながり〉と〈横の交流・協力〉を大切にし、日常のゼミのほかに「卒論中間発表会」(※1)、卒論提出後のクリスマスにあわせた「感謝の集い」(※2)の場を設けています。ゼミ生同士が意見交換し切磋琢磨しながら、自己の研究を開かれた形で他者に対して説得的に伝えることのできる論に仕上げようとするとき、独りよがりではない真の独自性が徐々に育まれており、その成長に毎年感動しています。
岡本さんは、毎回のゼミ冒頭挨拶で、〈目標と心がけ〉を適確に語ってゼミのリーダーシップをとってくれました。卒業前の最後のゼミでは、全員がゼミを振り返って「皆のためになる意見を言えるようになった」「状況に応じた計画や工夫をするすべを身につけることができた」「自信がなかった自分に自信が持てるようになった」と満足感に満ちた笑顔で語りあうことができました。
〔リンク〕
※1 【WEB卒論】山根知子ゼミ(近現代文学)|学生が運営する卒論発表会「3,4年合同ゼミ」で成長する学生たち
https://www.ndsu.ac.jp/blog/article/index.php?c=blog_view&pk=16472442788bfd283aea61271b52f6da702659e132&category=&category2=
※2 学内のクリスマス「クリスマスのお祈りカード」
https://www.instagram.com/p/CnOH2o6rK5k/
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※1 【WEB卒論】山根知子ゼミ(近現代文学)|学生が運営する卒論発表会「3,4年合同ゼミ」で成長する学生たち
https://www.ndsu.ac.jp/blog/article/index.php?c=blog_view&pk=16472442788bfd283aea61271b52f6da702659e132&category=&category2=
※2 学内のクリスマス「クリスマスのお祈りカード」
https://www.instagram.com/p/CnOH2o6rK5k/
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