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日本語日本文学科

2023.02.01

図書館資料を活用しよう! ―レファレンスツールとはー|近藤友子|日文エッセイ232

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日本語日本文学科

日文エッセイ

【著者紹介】
近藤 友子(こんどう ともこ)
図書館情報学 司書課程担当

図書館における障害者サービスについて研究しています。
 
図書館資料を活用しよう! ―レファレンスツールとは―

1. 本は人を惹きつける?
 2022年11月5日に本学において3年ぶりの大学祭が開催されました。テーマは「RESTART」でしたが、これは2020年、2021年と続けて新型コロナウイルス感染症の影響で大学祭が実施できなかったことを受け、久しぶりの大学祭を新しいスタートとしてイメージしたものです。本学の関係者だけでなく、学外から参加してくださった方々の活気を感じる一日でした。大学祭ではクラブやサークルなどの学生による催しだけでなく、学科や諸課程等による催しもあり、本に関わるものとしては司書課程で図書館司書を目指す学生達も大学図書館にて「本を使った重さ当てゲーム」や手作りのブックカバーや栞などの配付を行いました。

写真1:司書課程の学生有志作成の栞とブックカバー

写真1:司書課程の学生有志作成の栞とブックカバー

 また、ノートルダム清心女子大学附属図書館内では「ブックマルシェ」が開催されていました。

写真2:大学祭当日の大学図書館入口付近

写真2:大学祭当日の大学図書館入口付近

写真3:大学祭での大学図書館内の様子

写真3:大学祭での大学図書館内の様子

 大学内の多くの人たちの協力により、不要になった本を集め、ラーニングコモンズにて大学祭の日に展示し、希望者へ無料配付するという催しでした。本学のラーニングコモンズは個人やグループでパソコンやホワイトボードなどを利用して調査や学習ができる場であり、明るくてやや広い空間に移動式の机や椅子が並んでいます。そのホワイトボードを利用してラーニングコモンズを案内し、机のうえに本を展示して希望者へ無料配付するという企画でした。大学祭までに多くの本が集まり、実用書や文庫本などさまざまなジャンルの本が展示場所にズラリと並べられ、来館された人たちが楽しそうに本を見て回る様子が見られました。

写真4:ブックマルシェで並べられた本

写真4:ブックマルシェで並べられた本

 ここでいう不要になった本とは、一般的には「古本」と言われるものであり、紙媒体の本を指します。近年は感染症の影響もあり電子媒体の「電子書籍」という名称もよく耳にするようになりましたが、まだまだ紙媒体の本を求める人たちが多くいることを今回の大学祭での「ブックマルシェ」企画や司書課程の有志による催しから感じとることができました。

2. 調べるための本とは
 大学祭で紙の本を手に取って確認し、持ち帰る人がまだまだ多いことがわかりましたが、それらの本は後で述べる、いわゆるレファレンスツールとして活用するような調べ物の本ではなく、実用書や読み物としての本が中心でした。ここから紙媒体の本や雑誌などの資料を用いる人はまだまだ多いと考えてもよいのでしょうか。近年では調べものをするときにGoogleやYahoo!などの検索エンジンを活用する人が多いと考えられます。一般的な検索方法としてはWeb上の検索サイトの枠内に、調べたい内容に関するキーワードを打ち込む方法があげられます。それにより検索ボタンを押すと瞬時に多くの情報が手元のスマートフォンやパソコンなどに反映される方法で調べることができます。この方法は現在ではまず最初に行う一般的な方法になっていると言えるでしょう。とても便利で素早く情報を得られるなど、調査・探索には魅力的な方法です。では図書館を利用しての調査方法とはどのようなものでしょうか。
 公共図書館などでは利用者からの質問を受け付ける場所として「レファレンスコーナー」や「参考調査」と呼ばれるコーナーなどを設置しているところがあります。大学図書館では同様のサービスを図書館カウンターなどで受け付けていることが多いです。これらのコーナーでは「レファレンスサービス」として利用者からの質問を受け付けて、回答するサービスを提供しています。「レファレンスサービス」では利用者からの質問に対して図書館の所蔵資料を活用して回答を導きだしますが、その調査過程でさまざまな”レファレンスツール”を活用します。紙媒体の冊子体の形態である図書の資料は「参考図書」と呼ばれることもあります。質問の回答を探し出すために活用するレファレンスツールには、文献を探索するのに用いる案内型によるものと、データなどの直接に知りたい情報が記載されている事実を解説・回答する型によるものとがあります。

3. さまざまなレファレンスツール
 案内型のものは文献の存在やその所在についての情報を探すなど、文献探索を主としたものです。この種類には「書誌」や「目録」などがあります。
 「書誌」とは本などの図書資料や、雑誌などに掲載された記事や論文などの書誌事項の情報を記したものです。書誌事項とは、例えば図書の書誌を考えた場合、書名、著者名、出版者、出版年などが該当します。
 「目録」とは所在情報を含んだ文献のリストのことであり、「書誌の情報と所在の情報」が該当します。図書館では一般的に請求記号と呼ばわる記号を用いて資料のある場所を示します。例えば本は書誌の情報として書名や著者名などの項目があります。それら書誌の情報にその図書がどこに存在しているか、所在の場所を示す情報(所在情報)を含んだものが目録です。
 もう一方の事実を解説・回答する型は、求める情報そのもののデータや内容の記述などを探すものであり、百科事典などがその代表的なものといえるでしょう。また「ジテン」には「事典」と「辞典」と「字典」があり、「事典」は「ことてん」とも言い表せるもので、事物や事象についての意味やその内容についての解説などが記されています。「辞典」は「ことばてん」として言葉の意味や用法などを解説しています。また「字典」は「もじてん」として文字の表記法や発音、語源などの解説が記されています。「ジテン」は漢字表記で「事典」、「辞典」、「字典」などさまざまですが、そこに記されている内容には違いがあります。回答を導き出すために活用するレファレンスツールは、それぞれの「ジテン」の内容を確認して用います。また「ジテン」以外の資料として、図鑑や年表、統計、地図帳など、さまざまな事実を調べるためツールもあります。

4. レファレンスツールとの出会い
 各種の図書館(公共図書館、大学図書館など)では利用者が調べたい、知りたい質問について、レファレンスサービスを実施して情報の提供を行う過程でさまざまなレファレンスツールを活用します。レファレンスツールの種類や内容はさまざまです。図書館司書は質問の内容により百科事典を利用するのか、目録を用いたほうがよいのかなど、レファレンスツールを活用して解決への糸口を見つけ出します。しかしレファレンスツールは図書館を利用するすべての人が利用できる資料でもあります。どこの図書館であっても調査・探索に使用できるレファレンスツールを所蔵しています。図書館には読み物としての資料だけではなく、さまざまな調査・探索用の資料があります。多くの図書館ではカウンターの近くにレファレンスツールを配架しています。図書館を訪れたときには是非カウンターの周辺を見回して、レファレンスツールを見つけたら手に取って、ページをめくってほしいと思います。調べものをするためのさまざまなレファレンスツールとの出会いがあるかもしれません。
 

写真5:大学図書館 参考図書コーナー付近

写真5:大学図書館 参考図書コーナー付近

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