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日本語日本文学科

2022.07.16

《特殊文庫の魅力》第2回「大学院生・清水貴美子さんへのインタビュー」|日本語日本文学科 野澤真樹

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日本語日本文学科

授業紹介

大学院

文学研究科

本学特殊文庫には、本学国文科(現・日本語日本文学科)の教授であった故・正宗敦夫氏の旧蔵書からなる正宗敦夫文庫、江戸時代を代表する国学者である黒川春村・真頼・真道の旧蔵書を収める黒川文庫を中心とし、貴重な古典籍が多く所蔵されています。特殊文庫の資料を授業や自身の研究に活用している日本語日本文学科の教員が、全10回にわたって「特殊文庫の魅力」を発信します。

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《特殊文庫の魅力》第2回
「大学院生・清水貴美子さんへのインタビュー」

日本語日本文学科 講師 野澤真樹

 日本語日本文学科の卒業生で、現在は本学大学院文学研究科に在籍する清水貴美子さん(就実高等学校出身)に、日本語日本文学科在学中に、授業などを通して特殊文庫に触れた経験についてお話を聞きました。

野澤:清水さんは博士前期課程1年で上代文学担当の東城敏毅先生のゼミに所属していますね。現在はどのようなテーマで研究を進めていますか?

清水:「『万葉集』における時鳥」というテーマで、額田王の『万葉集』112番歌を中心に研究を進めています。現在はこの歌に詠まれる「いにしへ」と、同義語の「むかし」との詠まれ方の違いについて、先行研究を整理しながら自分自身でも調査を進めているところです。学部生の頃は先行研究の指摘をそのまま信じがちでしたが、大学院生になって論文を批判的に読むことを学びました。研究は大変ですが、自分で『万葉集』の用例を集め、考察するのはとても楽しいです。
 

特殊文庫・書庫内の様子

特殊文庫・書庫内の様子

大学院のゼミで東城敏毅先生(右)の指導を受ける清水貴美子さん(左)

大学院のゼミで東城敏毅先生(右)の指導を受ける清水貴美子さん(左)

野澤:本学に入学する前、特殊文庫の存在は知っていましたか?

清水:知らなかったと思います。学部1年の年に学内で中古文学会の大会が開催され、特殊文庫資料の展示が行われた際、パンフレットをもらった記憶があります。その時に特殊文庫のことを初めて知りました。

野澤:清水さんは私が担当した「近世文学講読Ⅱ」を履修していましたよね。

清水:はい。2年生の時に「近世文学講読Ⅱ」を履修し、『狭衣物語校注』(黒川文庫、G202)という『狭衣物語』の注釈書について調査しました。初めて特殊文庫の書庫に入った時、とても涼しく感じたのを覚えています。普通の図書館ともかなり雰囲気が違いましたし、古典籍は虫喰があったりして、触るとすぐに破れてしまいそうで・・・。扱い方についても、先生から注意があって緊張しました。くずし字が読めなかったので書いていることの意味もわからず焦りましたが、図書館で参考になる資料を見つけ、なんとか発表資料を作ることができました。

 

特殊文庫蔵『狭衣物語校注』(黒川文庫・G202)

特殊文庫蔵『狭衣物語校注』(黒川文庫・G202)

清水さんが作成した資料

清水さんが作成した資料

野澤:他の授業では特殊文庫を利用しましたか?

清水:3年生のときに受講した兼築信行先生の「中世文学特講Ⅳ」(集中講義)でも特殊文庫を利用しました。文献調査の手順や翻字(野澤注:くずし字を現行の字体に直し、解読していく作業)の仕方などを詳しく学んだことを覚えています。この授業でも実際に特殊文庫に行き、グループで資料を閲覧しました。授業を受けたあとでは、少し特殊文庫や古典籍を身近に感じるようになりました。

野澤:昨年は『ノートルダム清心女子大学特殊文庫目録』(1975年刊行)の改訂作業の一環として、目録のExcelデータへの入力アルバイトに参加してもらいました。

 

資料の虫損(虫喰い跡)

資料の虫損(虫喰い跡)

書庫では温湿度管理を徹底し、定期的に駆虫・防虫のための燻蒸を行っています。

書庫では温湿度管理を徹底し、定期的に駆虫・防虫のための燻蒸を行っています。

清水:ちょうどアルバイトを探していて、データ入力のアルバイトを経験してみたいという気持ちから申し込みました。実際にやってみると思った以上に情報量が多くて大変でした。古典籍の情報を入力する際に、書名に使われる漢字がパソコンでは出てこなかったり、旧字体、異体字などの判断が難しかったりしました。作業を進めていくと、『万葉集』や『古今和歌集』、『伊勢物語』、『宇津保物語』など、有名な作品が多く所蔵されていることも知りました。とはいえやはり知らない書名のほうが多かったです。同じタイトルの資料がたくさんあることにも気が付きました。

野澤:授業と目録の入力、両方で特殊文庫と係わってみてどうでしたか?

清水:目録の資料一覧を見た時に、「こんなにたくさん本があるんだな」と実感しました。実際に書庫に入って資料を見たときよりも数が多く感じました。作業をしているうちに、授業で調べて知っていた作者の作品が見つかったのは楽しかったです。
 

『ノートルダム清心女子大学特殊文庫目録』

『ノートルダム清心女子大学特殊文庫目録』

野澤:今後、特殊文庫で利用してみたい資料はありますか?

清水:機会があれば『万葉集』の古注釈を調べたいです。仙覚の『万葉集抄』の写本や、本居宣長、賀茂真淵など有名な国学者の注釈書も所蔵されているので興味があります。自分自身で閲覧許可を申請しなければならないのは少しハードルがありますが・・・

野澤:その時は指導教員の先生に相談するとスムーズですね。これからのご研究に、ぜひ特殊文庫の資料を活用してください。今日はありがとうございました。

清水:ありがとうございました。



附記
 本記事は2022年度学長裁量経費教育改革研究助成金「「ノートルダム清心女子大学」特殊文庫目録」改訂に向けての資料整理および調査・研究」を受けての研究活動の一環として作成・公開しています。


ノートルダム清心女子大学附属図書館
「特殊文庫」紹介ページ
https://lib.ndsu.ac.jp/collection/special.php

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清水貴美子さん

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