暖かい春の到来が待ち遠おしい毎日ですが、来月にはノートルダムデー、フッド授与式並びに卒業証書・学位記授与式といった行事が続きます。最終学年である4年生にとっては、こうした行事がこれまでの大学での学びを改めて振り返ると同時に、自身の成長を実感される機会となることと思います。
さて、人間生活学科では大学4年間の学びの集大成として、3年生後半から4年生にかけて約1年間「卒業論文」に取り組みます。各自が関心のあるテーマを設定し、論文として完成させるまでの一連の営みは、自身の探究心を満たすだけでなく、達成感を感じる大きな学びとなり得るでしょう。
今回はこうした人間生活学科の特色ある“卒論”について、昨年11月初旬に実施された「卒業論文発表・審査会」の様子にも触れながら、シリーズとしてお伝えしたいと思います。
まず人間生活学科の卒論の特色の一つとして挙げられるのは、学生が扱うテーマや題目の多様性です。これは学科での学びが“人間生活”全般について総合的で広い視点から捉え、探求するという姿勢を反映しているといえます。
例えば、人間と人間を支える“関係”について考えたり、福祉に関連した幅広いテーマを知り、学ぶ「人間福祉学コース」での過去の卒論の題目をみてみましょう。
- 少年犯罪における人権問題―少年法61条をめぐって―
- 新型出生前診断の功罪
- 若者の政治意識は変わるのか―18歳選挙権の導入をめぐって―
- 笑いと人間関係―身体性に着目して―
- ペットロスから考えるペットと人間の関係性
- 性的マイノリティヘの理解を深めるために
- 盲導犬ユーザーが暮らしやすい社会実現のために
- ユニバーサルファッション
- コミュニティビジネスで地域をつなぐ
- 「バリアフリーツアー」 ―障害者の旅行に着目して―
- 子育てと仕事の両立 ―企業の子育てサポートに着目して―
- 高齢化社会におけるデマンド交通のあり方
次に、マーケティングや経営経済学について学び、実践する「経営経済学コース」の題目です。
- 「ごほうび消費」を切り口としたコンビニ・スイーツ販売戦略の提案
- タイの学生の訪日旅行者数を増加させるために
- 高松空港民営化による地域活性化
- ディスカウントストアにおける関連陳列の有効性
- 体験型イベントによる地域ブランド戦略―出石町での取り組みから―
- 日本におけるフードバンクの可能性
- ジャニーズ・ファンの醸成システムとメディア戦略に関する分析
- 若者に向けたSNSマーケティングの可能性―Instagramを活用した情報発信の実践とその課題―
- サブスクリプションがもたらす新たなビジネスの可能性
最後に、被服・食文化や食育についての学びを深めたり、地域活性化、住環境などを中心に扱う「生活環境学コース」です。
- リノベーションによるまちづくり―建築ストックの有効活用―
- 岡山市中心市街地のマンション居住について
- オープンカフェに関する一考察
- 吹屋の歴史的まちづくりに関する考察
- オーガニック食品について―消費者の視点からの一考察―
- お色直しドレスに関する一考察
- 雑誌『Seventeen』におけるなんちゃって制服の一考察
- 靴のサイズ表示の改善の検討―パンプスを中心に―
- 総社市の赤米伝承に関する研究
- 備中白小豆の可能性
これらのタイトルにざっと目を通しただけでも、学生たちが選んだテーマは今を生きる私たちの生活と深く関連した身近な事象や問題を扱っていることがわかります。
卒論はコース単位ではなく、ゼミ単位による教員の指導のもと進めていきます。つまり、人間生活学科では、これらのテーマを扱うことができる専門性をもった多彩な教員のもとで、各自の研究テーマに取り組む形となっています。
次回は、今年度の4年生が取り組んだ内容や発表の様子をお伝えしたいと思います。
▶【WEB卒論】人間生活学科の卒論シリーズ②学生からの報告(社会福祉学研究室、人間関係学研究室)
・人間生活学科
・人間生活学科(研究分野)
・これまでのWEB卒論