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食品栄養学科

2022.02.09

甘いチョコと苦いチョコ、どちらが好きですか?|食品栄養学科 林泰資教授

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食品栄養学科

甘いチョコと苦いチョコ、どちらが好きですか?
 
食品栄養学科 林 泰資

バレンタインと言えば、チョコレート。あなたは甘いチョコと苦いチョコ、どちらが好きですか?

女子大生を対象にした調査によれば、ミルクチョコとビターチョコを好む割合は、それぞれ、46.2%と35.5%という結果になりました(1)。意外と苦味好きが多いと思いませんか?

味覚を構成する五つの味(甘味,酸味,塩味,苦味,うま味)の中で、甘味はエネルギー源として感受されます。生きていく上でエネルギー源は必須ですので、人は本能的に糖類などの甘味を好みます。また、甘いものを食べると脳の報酬系(ドーパミン神経系など)が働き、満足感が得られるようになっています。したがって、甘いものを好むのは生来のことであり、自然な食行動だと考えられます。

一方,苦味は本来「毒」を表しており、忌避されることが多い味です。特に、子供は苦味に敏感で、苦い食べものを口にしたがらない傾向があります。しかし不思議なことに、成長の過程で食べられるようになってきます。

チョコレートの苦味のもとは、カカオポリフェノール、テオブロミン、カフェインです。近年、これらの成分には,動脈硬化や高血圧の予防、リラックス効果、脳機能活性化などの健康作用が報告されています。また、チョコレートには食物繊維やビタミン・ミネラル類も含まれ、さらに、チョコレートの香りにも集中力や記憶力を高める効果が知られています。

ネット社会において、健康に良いと言う情報は瞬く間に広がり、人の食行動を誘発します。そして、ちょっと苦いチョコに挑戦してみるわけです。そのうちに、だんだんと味に慣れて、苦いはずのハイカカオチョコレートを欲するようになると思われます。

もう一つ、興味深いデータがあります。それはチョコレートの好みと疲労の関係です。女子大生を対象にした調査によれば、肉体的に疲れた時には甘いチョコレートを好み、頭脳労働などで精神的に疲れた時には苦いチョコレートを好むことが報告されています(1)。

以上のように、チョコレートは、エネルギー源となり、肉体的・精神的疲労を癒やし、上述の健康作用も有する優れた食品というわけです。

ということで、バレンタインのチョコレートは、プレゼントする相手に合わせて選択すると良いかもしれませんね。

1)飯田文子,第22回チョコレート国際栄養シンポジウム講演集,9-12,2017

・食品栄養学科(学科紹介)
・林 泰資教授(教員紹介)
・受験生サイト(食品栄養学科)
・バレンタインデーの由来とチョコレート|原田豊己神父、食品栄養学科 林泰資教授(2021.2.12公開)

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