このたび、文学研究科日本語日本文学専攻博士前期課程の花谷美紅さんが、岡山県瀬戸内市牛窓町の牛窓神社において、年2回発行している「牛窓神社だより」の第40号(2022年正月発行)に、「修士論文研究余話 牛窓五香宮と神功皇后」と題する文章を寄稿しました。(PDFでご覧いただけます)
牛窓という地は、古代日本神話の世界、特に神功皇后(じんぐうこうごう)の伝承や信仰の根付いた土地として重要な意義を担っています。花谷美紅さんは、卒業論文から修士論文にかけて、牛窓に伝わる「神功皇后信仰」を研究しており、牛窓神社が所蔵している『牛窓神社文書』を翻刻しつつ、中世(鎌倉・室町時代)から近世(江戸時代)にかけて牛窓で信仰されている神功皇后信仰の形態を研究しています。また、牛窓神社の摂社である五香宮(ごこうぐう)は、寛文七(1667)年に造営されましたが、造営を命じ、京都御香宮(ごこうのみや)より神功皇后・応神天皇を勧請したのは、当時の岡山藩主である池田光政でした。五香宮には神功皇后のものであるという伝承を持つ遺物が存在し、その一つである腹帯は安産の御守として授与されていたこともあり、花谷さんは修士論文において、牛窓神社と神功皇后、そして安産信仰とを結びつけつつ、池田光政の政治的思惑と、池田家と牛窓神社との関係に迫っています。
文学というものが、その土地その土地の伝承や信仰を含みつつ形成されてくることを鑑みると、花谷さんの研究は、その土地に新たな視点をもたらすものであるといえ、このような文学研究は、地域に研究を還元し、さらには地域との連携を密にしていくものであることをも実感しています。花谷さんの研究が花開くことを期待しています。
なお、花谷さんの研究を陰で応援してくださり、『牛窓神社文書』等の複写版を快くお貸しいただき、また、このように「牛窓神社だより」に寄稿させていただきました、牛窓神社宮司の岡﨑義弘氏に、この場を借りて、感謝申し上げる次第です。
ノートルダム清心女子大学大学院
文学研究科日本語日本文学専攻主任
東城敏毅
牛窓という地は、古代日本神話の世界、特に神功皇后(じんぐうこうごう)の伝承や信仰の根付いた土地として重要な意義を担っています。花谷美紅さんは、卒業論文から修士論文にかけて、牛窓に伝わる「神功皇后信仰」を研究しており、牛窓神社が所蔵している『牛窓神社文書』を翻刻しつつ、中世(鎌倉・室町時代)から近世(江戸時代)にかけて牛窓で信仰されている神功皇后信仰の形態を研究しています。また、牛窓神社の摂社である五香宮(ごこうぐう)は、寛文七(1667)年に造営されましたが、造営を命じ、京都御香宮(ごこうのみや)より神功皇后・応神天皇を勧請したのは、当時の岡山藩主である池田光政でした。五香宮には神功皇后のものであるという伝承を持つ遺物が存在し、その一つである腹帯は安産の御守として授与されていたこともあり、花谷さんは修士論文において、牛窓神社と神功皇后、そして安産信仰とを結びつけつつ、池田光政の政治的思惑と、池田家と牛窓神社との関係に迫っています。
文学というものが、その土地その土地の伝承や信仰を含みつつ形成されてくることを鑑みると、花谷さんの研究は、その土地に新たな視点をもたらすものであるといえ、このような文学研究は、地域に研究を還元し、さらには地域との連携を密にしていくものであることをも実感しています。花谷さんの研究が花開くことを期待しています。
なお、花谷さんの研究を陰で応援してくださり、『牛窓神社文書』等の複写版を快くお貸しいただき、また、このように「牛窓神社だより」に寄稿させていただきました、牛窓神社宮司の岡﨑義弘氏に、この場を借りて、感謝申し上げる次第です。
ノートルダム清心女子大学大学院
文学研究科日本語日本文学専攻主任
東城敏毅
・日本語日本文学科
・日本語日本文学専攻(大学院紹介)
・東城敏毅(教員紹介)