2021.10.27
企業の社会的責任ということが問われてきています。かつて、「企業は営利を追求するのだから、多少の不祥事は仕方ない」という発想があったことは否めません。
しかし最近では企業に対して、人権問題や環境問題などの課題について責任をもって対処することが求められています。さらには共生社会を創ることについて、企業も寄与していくことが期待されています。
企業が営利追及にとどまるのではなく、社会へ貢献していくという考えは、実は100年以上前からありました。有名なのは渋沢栄一です。渋沢はたくさんの企業の経営に携わる一方で、社会福祉や教育などに大きく貢献しました。10月22日に、中小企業経営者の方々に、渋沢と福祉との関係についてお話をさせていただきました。
岡山県では大原孫三郎が知られています。大原は、現在のクラボウやクラレを創設した企業家です。大原美術館を創設したことは知っている人が多いと思いますが、それだけではありません。岡山には岡山孤児院という児童福祉施設が石井十次によって創設されますが、大原は岡山孤児院を支援していきます。ほかにも大原社会問題研究所、倉敷労働科学研究所などを創設しました。倉敷市にある倉敷中央病院も、大原によるものです。
これからの時代は、企業経営と社会福祉が連携して社会に貢献していく時代になります。人間生活学科に経営経済学コースと人間福祉学コースがあります。よりよい社会を目指し、人間の幸せを追求していくということでは同じことだと思います。
杉山ゼミは社会福祉学を学ぶゼミですが、こうした広い視点でさまざまなテーマで研究を進めています。