児童学科では、毎年、特別な教育的ニーズのある子どもたちへの支援について関心をもち、教員採用試験に挑み、教員として新たな一歩を歩み始める学生たちを送り出してきました。その学びを支える取り組みのひとつとして、インクルーシブ教育研究センターとの連携による、教員採用試験対策勉強会があります。指導されているのは、インクルーシブ教育・特別支援教育がご専門の青山新吾先生。今回は、青山先生にインタビューしながら、この勉強会の仕組みや学び、夢に向かって羽ばたいていく学生や卒業生の姿に焦点をあてて考えます。聞き手は藤掛絢子(音楽研究室)です。
インタビューVol.1 【教員採用試験対策勉強会とは?】
「この勉強会では、どのような内容を学べるのでしょうか?」(藤掛)
「内容は大きく分けると2つあります。専門教養の試験に対応するための基本的な知識に関係することと、模擬授業や面接などに対応するための内容に分かれています。」(青山)
「基本的な知識については、特別支援教育にかかわる教育課程や、学習指導要領のポイント、心理検査について学ぶのですね。また、模擬授業や口頭試問、個人面接などの対策もありますね。どのような学生を対象としているのでしょうか?」(藤掛)
「特別支援学校の先生を目指している学生と、特別支援教育の視点を取り入れた教育を行える小学校の先生を目指している学生です。つまり、小学校の先生を目指しているのだけれど、専門的に特別支援についても学んでいる、そのような人たちも対象にしています。」(青山)
「小学校の先生を目指す学生も対象なのですね。特別支援教育の視点をもっていることが、教員採用試験に直接反映することがありますか?」(藤掛)
「岡山市の教員採用試験などのように、小学校の受験区分の中に、特別支援教育推進枠という枠を作っている自治体があります。特別支援に重点を置いた、小学校の先生を目指している人たちのための採用枠です。そこを受験する学生たちが毎年います。」(青山)
「なるほど。」(藤掛)
「それに対して、岡山県の教員採用試験には、特別支援教育推進枠はありません。ないんだけれど、通常学級でも、いろいろな子どもたちが当たり前に存在しているわけです。だから、いろいろな子どもたちがいるという大前提のもとで、どのように学級経営や授業、指導を行っていけばよいかという視点を明確にもっている人が必要とされています。」(青山)
特別支援学校の先生だけでなく、特別支援教育の視点をもって指導することのできる小学校の先生も必要とされている実態があるのですね。次回は、この勉強会での様子を具体的に見ていきます。
インタビューVol.2【勉強会での学びのようす】|児童学科に続きます
・児童学科
・児童学科(ブログ)
・青山新吾准教授(教員紹介)
・藤掛絢子講師(教員紹介)
・インクルーシブ教育研究センター
・免許・資格