2021.08.20
玉川大学名誉教授の岡本裕一朗先生と私、深谷信介の共著『ほんとうの「哲学」の話をしよう』(中央公論新社、2019年刊)が、2021年春に実施された都道府県公立高校入試問題(国語・高知県)に出題され、この度入試対策問題集に掲出・発売されました。
「広告と哲学」、一見すると相反する分野に見えますが、実は非常にユニークな共通点・親和性を持ち合わせていることを、対談を通じて発見することができました。異分野の二人が繰り返し繰り返し密な対談を行い、深い議論・討論を積み重ねた結果です。
今回、入試問題に採用されたと伺い、あまりの想定外の出来事に椅子から転げ落ちそうになりました。
想定外という言葉が頻出するようになった現代ですが、奇跡はごく普通の日常の営みから生み出されていくことを改めて感じた次第です。
経験を積み重ねていくと、常識という名の知見を備えることができます。一方、常識というめがねを信用しすぎてしまうと、想定外という非常識が表出してくるのではないでしょうか。
日々の暮らしの中でも、見方・捉え方を少し変えてみると、同じに見えるものの差異が明確になったり、相容れないと言われていることに親和性を見出したり、といったことがあります。
特に本学の学生には、悠久の時を経た人間の叡智を信じ、超高度情報社会の渦の中でこそ、表層的かつステレオタイプなものごとの見方から少し距離を置き、自ら主体的に本質を見ようとする意識や態度を培っていただければと思います。
哲学と広告という両極の視点から、今までと今とこれからを眺めていくという対話本。
拙著ですが、受験生のみならず、広く一般のみなさま方にもご一読いただければ幸いです。
・『ほんとうの「哲学」の話をしよう』(中央公論新社・2019年)
・『2022年受験用 全国高校入試問題正解国語』(旺文社・2021年)
9頁「新任者に聞く!深谷信介教授 いろいろな「窓」を開けて見ることの大切さを伝えたい」
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