今春、人間生活学科・生活環境学研究室の専任教員として着任しました、成清仁士です。学科の専門科目では、「住居学」「住環境学」「環境デザイン論」「住居計画学」などの授業を担当しています。自己紹介を兼ねながら、オンライン授業で学生のみなさんに好評を頂いている私の日帰り小旅行について少しご紹介させて頂きます。
私は学生の頃からひとり旅によく出かけるようになりました。きっかけは、大学一年生の夏休みの前に手にした安藤忠雄さんの「建築を語る」という本でした(東京大学出版会、1999)。この本から、旅に出て現地で学ぶことや考える時間を持つことの大切さを学びました。また、直島に現代美術館があることを知ることができたのも、この本のおかげです。それ以来の島好きということもあり、今回は岡山市の犬島への小旅行をご紹介します。
犬島には、およそ100年前に設けられた銅の精錬所が廃墟として遺されていました。これを再生した「犬島精錬所美術館」が、今回の小旅行の一番の目的地です。建築家の三分一博志さんによって島の歴史や環境が丁寧に読み解かれ、太陽の熱や空気の動きを上手に活かした設計がなされています。あとは行ってみてのお楽しみですが、半日あれば周辺の散策も含めてゆっくりと時間を過ごすことができます。
新型コロナの影響で、学生のみなさんも出かけにくい状況が続いています。それでも、やはり学生のみなさんには現地に出かけて学び、考える時間を持ってもらいたいと思っています。
オンライン授業については試行錯誤しながら取り組んでいますが、画像や動画をきれいに見てもらいやすいこと、webを利用したコメントのやり取りで学生のみなさん一人ひとりとコミュニケーションを取ることができることなどは、メリットの部分だと感じています。学生のみなさんが素直に好感や驚きを伝えてくれるので、次はどこに行こうかなと私自身も楽しみながら小旅行に出かけられます。
生活環境学研究室では、「これからの住まいや環境はどのようにあるべきか」という大きな問いを掲げて教育研究活動に取り組んでいます。その中で特に、歴史的な地域資源を活かした住まいや環境のデザインに関心を寄せています。詳細については改めて、このブログでもお伝えさせて頂きたいと思います。