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日本語日本文学科

2020.03.25

「ツボジョーワールド探検隊」3年目の挑戦|日本語日本文学科

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入試情報

「ツボジョーワールド探検隊」3年目の挑戦


 2017年度に始まった日本語日本文学科学生有志による「ツボジョーワールド探検隊」(ツボジョーは坪田譲治の愛称)は、岡山市出身の小説家・児童文学者である坪田譲治の普及活動を通して地域を活気づける活動を行い、今年度で3年目を迎えました。そして、この2019年度は、2020年3月3日に坪田譲治生誕130年を迎えるメモリアルイヤーでもあります。

 この活動は岡山市「大学生まちづくりチャレンジ事業」(今年度は「学生イノベーションチャレンジ推進事業」)に参加したいと積極的に手を挙げた学生たちによって結成されたものです。

 日本語日本文学科開講の坪田譲治を扱う授業では、「ツボジョーワールド探検隊」の顧問である本学日本語日本文学科の山根知子教授がふるさと岡山の人と自然に支えられた譲治の作品の魅力を伝えています。学生たちはその学びの成果を学外の地域の人々に広めようと様々に工夫を凝らしてきました。この活動では、ふるさと岡山を愛した譲治の作品を多くの人に知ってもらうことで、岡山というが持つ豊かな魅力を再発見してもらうことを目指しています。
 今年度の「ツボジョーワールド探検隊」では生家付近を舞台とする作品に光をあて、下記の地元団体及び行政との協働のもと、生誕130年にふさわしい活動を行いました。

【協働した団体】
 「文学と岡山」製作委員会 / 岡山地域教育資源研究会 / つぼじょー先生の宝探し実行委員会
 石井学区連合町内会 / 岡山市立石井小学校 / 岡山市立甲浦小学校
 坪田譲治を顕彰する会 / 岡山市文化振興課 / 豊島区立郷土資料館



新たな試み

 今年度の新たな挑戦は、小学生をはじめとする地域の人を対象として、学生たちと参加者とが一緒に取り組むことのできる「ツボジョー体操」と「ツボジョーカルタ」を作成し、楽しみながら譲治文学や地域について学んでいく場を作ることでした。いずれも学生のオリジナルで、「ツボジョー体操」は譲治の『エヘンの橋』という作品をもとに学生自ら作詞・作曲・振付をしました。今回作成した紹介冊子『びわのみ-坪田譲治の「故郷(しまだ)」へ帰ろう-』のなかで、「ツボジョー体操」は楽譜と図解入りで示し、「ツボジョーカルタ」は切り取って遊ぶことができる付録として添えています。
 この冊子は、譲治の母校である石井小学校の児童約400人全員の手にわたるよう寄贈しました。下記の写真は、小学校のお昼休みのビデオ放送にて児童代表に贈呈した様子を放映した時のものです。
 

活動の様子。(上)は児童代表に冊子を贈呈する様子。(下)は「ツボジョー体操」(石井小学校にて)

活動の様子。(上)は児童代表に冊子を贈呈する様子。(下)は「ツボジョー体操」(石井小学校にて)

『びわのみ ―坪田譲治の「故郷(しまだ)」へ帰ろう―」

『びわのみ ―坪田譲治の「故郷(しまだ)」へ帰ろう―」

 また、冊子は岡山県内のすべての図書館と近隣県の図書館にも寄贈しました。さらに、坪田譲治の第二の故郷である東京都の豊島区郷土資料館にも寄贈し来館者への配布をお願いし、譲治ゆかりの地としての県外の譲治顕彰の場である施設と初めて提携しました。
 加えて、今年度から譲治および本活動を紹介するInstagram「ツボスタグラム」をはじめました。これも初の試みで課題もありましたが、学生は発信の仕方に試行錯誤を重ね、工夫を凝らしました。

 2019年度の活動

 8月の夏休みに、岡山市立甲浦小学校の夏休みの図書館行事として「ツボジョー体操」と「ツボジョーカルタ」を初披露し、児童と楽しむ様子が『山陽新聞』にて取り上げられました(2019年8月23日、山陽新聞朝刊「坪田譲治の世界観 体操に」)。
 続いて、譲治の母校、岡山市立石井小学校で行われた夏休み行事「ツボジョー先生の宝探し」でも同様に体操とカルタを用いた活動を行いました。小学生をはじめ、保護者や地域の方など幅広い年齢層の方々に、譲治作品を元にしたカルタを通して、身近な場所に譲治の大切な思い出があることを知ってもらう楽しい場となりました。

 11月に吉備路文学館で行われた第5回坪田譲治朗読会では、「風の中の子供」という岡山を舞台とした作品を朗読し、これも『山陽新聞』に取り上げていただきました(2019年11月20日、山陽新聞朝刊「坪田譲治 情感豊かに 清心女子大生が作品朗読」)。小学校での活動に比べて、参加者の年齢層は比較的高く、作品の朗読を通して参加者の方々が地域への愛着を豊かに育んでおられる様子が感じられました。
 12月の最後の活動では、第35回岡山市文学賞「市民の童話賞」授賞式(会場・本学)の運営に携わりました。本賞は、岡山市民に譲治に続くような童話創作を促すことで岡山の文化向上に寄与することをねらいとしたものです。今回2年目となる授賞式では、学生たちはチラシ作りをはじめ、司会や受賞者へのインタビュアーとなって運営を盛り上げ、昨年に引き続き本活動の報告を通して譲治の魅力を紹介しました。

本学で行われた「市民の童話賞」授賞式の様子

本学で行われた「市民の童話賞」授賞式の様子

 こうして、まさに坪田譲治の誕生日で生誕130年を記念する2020年3月3日には、こうした1年間の「ツボジョーワールド探検隊」の活動をめぐって、ノートルダム清心女子大学同窓会より、「奨励賞」をいただきました。
                 

 学生たちはこの活動で、譲治文学を通し、岡山という土地の豊かさを地元の皆さんと共有しました。その豊かさとは、地域に生きる者が置かれた場である風土にその魅力を発見し、そこに生きる意味と生きがいを豊かに感じていくことでもあります。
 岡山に根付く大学の日本語日本文学科として、地域の人々をそうした生きがいへと導く文学の力を実感し、伝える試みを、今後も学生たちと続けていきたいと考えています。



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日本語日本文学科
山根知子教授(教員紹介)

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