• Youtube
  • TwitterTwitter
  • FacebookFacebook
  • LINELINE
  • InstagramInstagram
  • アクセス
  • 資料請求
  • お問合せ
  • 受験生サイト
  • ENGLISH
  • 検索検索

書道卒業制作展

2012.04.11

学生の作品紹介|第10回(2004年度)書道卒業制作展の出品作品(2)

Twitter

Facebook

日本語日本文学科

書道卒業制作展

「小倉百人一首」 澤田京子
【釈文】秋の田の 仮庵の庵の 苫をあらみ 我が衣手は 露にぬれつつ(天智天皇)(以下略)
【解説】藤原定家が京都小倉山の山荘で撰んだといわれる百首の歌。天智天皇から順徳院まで百人の和歌一首ずつを集めたもので、近世以後、歌ガルタとして広まった。また、北海道で伝統的におこなわれている百人一首を、「下の句かるた」と呼ぶ。下の句かるたは、和歌の一首を読みきるのではなく、下の句だけを読んで札を取る遊びである。決められた規定の中でスピードを競う一種のスポーツあるいは格闘技といえるほどの面白さがある。
【所感】以前、授業の一環として百人一首大会をしたことがありました。その時に使用したのが、北海道に伝わるという板カルタです。木材に書くという考えですすめていましたが、結局は木材質の樹肌紙に書くことになりました。さらに、始めは、下の句のことしか頭になかったけれど、上の句がなくては遊べないということから、こちらは綺麗な料紙を用いて雅やかに書いてみよう!となりました。上の句と下の句で、字体に変化があるので書いていてとても面白かったです。
三宅先生に多大なご迷惑をおかけしてしまい、この場をお借りして深く感謝申しあげたいと思います。

一字書「雲」 篠原理恵
【所感】見ただけで想像つくと思いますが、書いていてとても楽しかったです。字を書くという感覚ではなかったので、青墨の濃淡を生かして視覚的に雲っぽくし、他の人達と違う独創的な感じを出せるよう注意しました。実は、当初は別の字を二週間くらい書いていたのですが、うまくいかず煮詰まってしまったので、字典で見つけた字を気晴らしに(遊びで?!)書いてみただけでした。しかし、それが案外み
んなの評判が良かったので、調子に乗って急遽雲に変更したのでした。それから形を変えながら何十枚と書いていきましたが、書けば書くほど面白かったです。私のお気に入りの一品となりました。

臨橘逸勢・伊都内親王願文 角南友美
【釈文】菩薩戒弟子従五位下藤原朝臣平子稽首和南。奉納山階寺東院西堂香燈読経料事。側聞、惟父惟母、慈之悲之者、彼無上大覚、為津為梁。提之済之者、此無価菩提。故有補陀宝巌、非荘厳而真厳、■(女偏に吉)◆(口偏に利)仙崛、是妙説而浩説。是以帰仰者、無愛憎而普度、尊敬者、混善悪而咸矜。大哉大悲。難得議称者矣。伏惟、先考先妣、資天人之勝気、禀江漢之英霊、器宇深淵、風神粛穆、復四徳生知、六行成性、昌城玉蘂、無復千霊、函徳金芝、空知三秀。(以下略)
【解説】伊都内親王願文は、三筆の一人、橘逸勢(?~八四二)の筆と伝えられているが、逸勢の確実な遺墨が伝存しない為、確証はない。天長十年(八三三)九月二十一日、桓武天皇第八皇女で阿保親王の妃である伊都内親王(?~八六一)は、生母の藤原平子の遺志を受けて、山階寺(現在の興福寺)に香燈と読教料として墾田十六町ほかを寄進した。これは、その時の願文で、平子の両親の追善とその一族の安穏と繁栄を祈願したもの。
【所感】逸勢ののびのびとした、自由な書きぶりに惹かれ、この書を選びました。途中、どのように書かれているのか分かりにくい字がいくつかあったので、困りました。注意した箇所は、太い線、細い線、墨継ぎの位置、墨のかすれ具合等です。墨継ぎのタイミングが本作品と合わず、苦労しました。また、なかなか良い筆が見つからず四回も筆を変えて試し書きしました。作品は思ったよりも時間がかかり、一回全臨するだけでも相当苦労する作品です。
■=女偏に吉 ◆=口偏に利

一字書「素」 藤本尚子
【所感】私が「素」という字を選んだ理由は、自分自身の「素」の部分を表現したいと思ったからです。素朴で素直な人間になりたいという願いも込められています。一字書を書くことは、一年生のときからずっと楽しみにしていました。実際に書いてみると、思っていた以上に難しかったです。長時間、使い慣れない大きな筆と戦っていたため、途中で表現したい形が分からなくなりました。しかし、気分転換することによってその後の字はぐっと良くなったと思います。根を詰めすぎず、楽しく作品に向かうことで、一字の中に自分の力を注ぎ込めるのではないかと思いました。

学生の作品紹介|第10回(2004年度)書道卒業制作展の出品作品(3)

一覧にもどる