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書道卒業制作展

2012.04.11

学生の作品紹介|第13回(2007年度)書道卒業制作展の出品作品(2)

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日本語日本文学科

書道卒業制作展

竹森由香 葛原妙子の詩「水路」
【釈文】炭酸水のごとくさわだつ水が見ゆ 奔流は木小屋を過ぎて右折す
水のゆく彼方をみよ 森林の外れを走る白き飛沫よ
牛小屋に牛をりしかば手をのべて 塩を与ふるときのま暗し
月神と牛を信ぜし古代人 牛のもろ角半月なしたり
斑ある牛を撫でをりこの斑 おもひ出でざる地形のごとく
豆腐二丁水に沈めてあることの 深き安堵よ山水に澄む
【所感】創作をやるのは決めていて、細長い紙に縦書きで、大きな字を書くと面白いんじゃないかという発想が、この作品になりました。卒論で扱う三浦しをんの作品の中に出てきた葛原妙子の詩を使いました。字は作品全体のバランスと、一つ一つの作品の個性という二点をつりあわせるように努力しました。苦労したのは墨流しです。天然のマーブルをどうやって故意に生み出すか、字を邪魔せずにどうやって引き立たせるかで、何度も青墨をすりました。「水路」というタイトルのように、水の流れを感じていただけたらうれしいです。

中井知里 臨・高貞碑
【解説】北魏の宣武帝の皇后の弟の高貞の死に臨んで正光四年に建てられた碑。高慶碑、高湛墓誌とともに"徳州三高碑"と称される。点画は明瞭で整然と揃っており、結体の功妙さ、筆力の強さ、抑揚の変化など、技術的にもより高度なものを誇示している。
【所感】佐野先生に薦められて勢いで選んだのがこの作品です。楷書はあまり得意ではないのですが、挑戦してみようと思いました。高貞碑のもつ鋭い雰囲気が出せず悩んだり、字数が多いので、集中力が続かなかったりということが度々ありました。また、失敗する度、嫌になり落ち込んだことを覚えています。その分、完成した時の達成感はなにものにもかえがたいものがありました。

長門麻祐子 臨張瑞図・五律行書幅
【解説】張瑞図(一五七〇~一六四一)は、中国明代の書家・画家である。彼の書は抑揚のあるノビノビとした文字で、同時の董其昌、●(并の異体字ににおおざと)■(にんべんに同)、米萬鐘とともに、〝明末の四大家〟に並び称されている。書画ともに個性の強い作風である。
【所感】ぱっと見て一目で気に入りこの作品を選びました。見かけとは違い、このすっきりと流れるようなリズム感のある線を表現するにはとても時間がかかりました。そして、作品全体もすっきり見せるため中心線には特に気を遣いながら書き上げました。最初に取り組んだ作品でもあり、多くの時間をかけることができた作品でもあるので、お気に入りの一作です。

松木真理 臨▲(しめすへんに、者にゝ)遂良・雁塔聖教序
【解説】永徽四年(六五三)に建立され、西安の慈恩寺に現存する。▲遂良五十八歳の時の書で、楷書作品の最高傑作であると言われている。太宗が撰文した序と、高宗が撰文した序記があり、この二つを併せて「雁塔聖教序」と呼ぶ。今回は序を臨書した。序は全八二一字。
【所感】卒業論文でこの作品を扱うことが、臨書を決意したきっかけです。一文字を正確に臨書することはもちろん大切なのですが、全八二一字あるので、文字を飛ばさずに書くということに気をつけながら臨書していきました。ですがこれに捕らわれすぎ、今度は文字が▲遂良のものではなく、自分の字になってしまうという悪循環に陥り、挫折しかけましたが、なんとか抜け出し、完成に至りました。完成したときは涙が出るほど嬉しかったです。この作品は私にとって非常に思い出深いものとなりました。

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