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日本語日本文学科

2012.12.01

国立図書館|神原 俊治|日文エッセイ110

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日文エッセイ

日本語日本文学科 リレーエッセイ
【第110回】 2012年12月1日
国立図書館
著者紹介
神原 俊治(かんばら としはる)
図書館学・司書課程担当

図書館を活用した資料と情報の探索方法を探究しています。


 皆さんは「国立図書館」をご存じですか?
 私たちの身近な図書館といえば、自治体が設置した図書館、すなわち市立図書館とか町立図書館とか、合併で少なくなりましたが村立図書館などのいわゆる公共図書館(公立図書館)があります。もう一つ公共図書館(公立図書館)といわれるものに県立図書館があります。また、学校に行けば小学校、中学校、高等学校には学校図書館があります。大学に通うようになれば大学図書館があります。
 このようにいろいろな種類の図書館があるわけですが、それぞれ地域の住民に図書館サービスを提供するために、学校に通う児童・生徒のために、また大学に通う学生のためにと、その果たすべき役割が違うのでこのように各種の図書館が設置されているのです。 
 では、国立図書館は誰が何のために設置したのでしょうか。
 国立ですから当然「国」が設置したものです。したがってサービス対象は国民ということになります。司書課程の授業科目に『図書館概論』がありますが、この授業では次のように紹介しています。
 1)国民全体に奉仕する国の中央図書館としての機能があります。具体的には、①国民に対しての直接サービスです。これは来館者に対してのサービスということです。そして二つ目には、直接国立図書館へ行くことの出来ない国民に対してのサービスということで、②国内の各種図書館への援助をする。つまり身近な図書館への貸出、複写、調査などを通じての間接サービスを行っているのです。

 また、1)のような機能を果たすためには、さまざまな資料・情報を収集していなければなりませんから、2)国内の全出版物の網羅的な収集と保存という機能も持っているのです。ありとあらゆる知的生産物を集め、それを現代の我々にも提供しますが、後世の国民にも提供するという役割を担っていますから、保存も大切な仕事になります。その他ここでは省略しますが3)国際的な図書館の協力も国立図書館の仕事になります。
 前置きが長くなりましたが、わが国の国立図書館といえば、『国立国会図書館』です。東京の永田町に「国立国会図書館本館」があり、京都府の精華町に「国立国会図書館関西館」があります。
 この国立国会図書館は、"国会"の言葉が付されていることからも分かる通り、衆参の国会議員をはじめ、議員の秘書や各政党の職員、両議院の事務局職員など国会関係者にも図書館サービスを提供しています。そのサービス提供の窓口を「調査及び立法考査局」といいます。また、立法府だけでなく行政部門である各省庁や司法部門である裁判所にも、国会図書館の支部図書館という位置付けでそれぞれ専門図書館としてサービスの提供が行われています。
 そして国民への直接サービス、間接サービスが行われているのです。これらのサービスは長らく東京本館だけで行われていましたが、十年前に関西館が設置され現在ではこの2館で行われています。
そこで、関西館が造られた経緯をかいつまんで紹介します。


 国立国会図書館関西館は、今から約40年前に関西地域の経済界・学界・自治体等から、大型情報提供施設としての『第二国立図書館(仮称)』の関西地域への設置を要望したことが発端となっています。
 この要望を受け、1982(昭和57)年6月に関西プロジェクト調査会が設置され、ここから事業化へ向けての準備が始まりました。そして1994(昭和62)年12月に「平成7年度予算」の中に関係経費が計上され、関西館建設計画の事業化が開始されました。1998(平成10)年10月に建設工事が着工され、4年後の2002(平成14)年10月7日(京都府相楽郡精華町精華台8-1-3)に開館しました。これにより東京本館は主に印刷メディアを中心に、また、関西館は電子メディアを中心に収集し、提供するという役割分担を担うこととなったのです。

 国立図書館、わが国の「国立国会図書館」を、少しでも理解していただけましたか?
 今回は少々堅いお話しになりましたが、東京ディズニーランドに行かれたついでに永田町の本館を、そしてユニバーサル・スタジオ・ジャパンのついでに関西館を訪れてみてください。その場合、事前に参観(見学)の申込をすれば、職員の方が親切丁寧に説明しながら、普段見ることの出来ない書庫などの施設の案内をしてくれます。
 きっと感動するはずです。

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