杉山ゼミでは、福祉に関わる課題について広く学んでいます。福祉を学ぶためには、できる限り視野を広げて、社会や歴史についての理解を深めることが大切です。
そのためには、大学の外に出て、さまざまな経験をしたり、初めての場所を訪問したりすることが必要です。ゼミ生一人ひとりも、テーマに関連する場所を訪れたり、関係する人からの聞き取りをしたりしています。
ゼミ全体でも研修旅行をしています。今年の3月には熊本を訪問しました。熊本を選んだのは、キリスト教や社会福祉の歴史にとって重要な出来事がいくつも起きているからです
キリスト教史では「熊本バンド」がよく知られています。熊本洋学校で学んだ者から多くの青年が洗礼を受け、彼らは「熊本バンド」と呼ばれて、日本のプロテスタント教会の基礎を築くことになります。彼らに影響を与えたのはジェーンズという教師です。ジェーンズの邸宅は水前寺公園の近くに位置しています。
水前寺公園
日本赤十字社は、西南戦争の最中の1877年に戦地である熊本で創設されてさっそく救護活動を行いました。当初は博愛社という名前でした。熊本城は西南戦争の激戦地の一つです。
熊本城
ハンセン病をめぐって、キリスト教の療養所として、プロテスタント系の回春病院と、カトリック系の待労院の二つが創設されました。その後、熊本ではハンセン病をめぐって、さまざまな動きがありました。
最近では、赤ちゃんポストが熊本市内の病院に設置されて議論を呼んでいます。
こうした現場を実際に見ることで、理解を深めることができますが、堅苦しい学習ばかりしているわけではなく、ゼミ内の懇親を深めることもいろいろやるようにしています。