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現代社会学科

2016.07.20

社会学・組織の歴史と現状:学科の紹介【23】

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現代社会学科

学科ダイアリー

社会学・組織の歴史と現状
―ウィーン報告とともに―

濱西栄司 准教授
  今年の7月、オーストリアの首都ウィーンで、1週間にわたり、国際社会学会の第3回社会学フォーラムが開催されました。4000人ほどの研究者が世界中から集まり、開会式会場は多くの人で埋まりました(写真1)。閉会式では、わたしが半ば師事し、半ば研究対象としているアラン・トゥレーヌ教授が、壇上でジョークを交えつつ話をされていました(写真2)。彼は現代フランスを代表する社会学者・知識人で、今年、91歳になります。

写真1 開会式会場の様子

写真1 開会式会場の様子

写真2 閉会式でのトゥレーヌ教授の様子

写真2 閉会式でのトゥレーヌ教授の様子

 ところで、こういった国際学会大会に参加したり、部会の理事会に出席したりすると、社会学とは何かということを考えさせられます。わたしは社会学そのものについても研究をしていますので、今回は「社会学」の歴史と現状について簡単にお話してみたいと思います。
 
 そもそも社会学は、フランス革命(およそ1780~90年代)の後の混乱状況にあって、状況を総合的に冷静に分析し、新しい社会を再構成すべく誕生した学問でした。最初に「社会学」(sociologie)という言葉が用いられたのは1820年代のフランスです。その後、明治政府や自由民権運動にも影響を与えたL・シュタインやH・スペンサーらの社会学者によって、日本にも導入され、1924年には早々に日本社会学会が発足します。その設立は、アメリカ社会学会(1905年)とドイツ社会学会(1909年)は例外としても、イギリス社会学会(1951年)やフランス語圏社会学会(1958年)よりも早く、また国内でも日本経済学会(1934年)や日本政治学会(1948年)より先んじています。

 その後、社会学は、社会の発展にあわせて、専門分化を進めてきました。現在では、日本だけでも、日本家族社会学会、環境社会学会、地域社会学会、日本都市社会学会、日本保健医療社会学会、日本労働社会学会、福祉社会学会、日本スポーツ社会学会、数理社会学会、日本社会学史学会、日本社会学理論学会、また日仏社会学会、日中社会学会などが存在します。他に、社会学者以外の学者も参加している学会として、日本法社会学会、日本教育社会学会、日本犯罪社会学会、経済社会学会などもあります。
 地域ごとには、北海道社会学会、東北社会学会、関東社会学会、東海社会学会、関西社会学会、西日本社会学会が形成され、社会学が学べる大学も全国に145存在します(注)――そのうち首都圏に50、近畿に35大学。また「社会学部」「〇〇社会学部」を持つ大学は全国に60、「社会学科」「〇〇社会学科」をもつ大学も93存在しています。

 このように社会学は、その歴史ゆえに現在ではかなり大きな学問になり、日本社会学会の会員だけでも3600人に及びますが、多様な専門分野に分かれているためにまだまだ人材は不足しています。社会学は、つねに同時代の社会の仕組みや問題を冷静に分析し、次の社会を構想してきました。新しい現象は次々にうまれてきていますし、皆さんが日本で、世界ではじめてその現象を研究するということもありうるのです。

 ぜひ社会学を通して、現代のさまざまな現象に関心を持ってもらえればと願っています。

(注)これらの数字は「Knowledge Station」(http://www.gakkou.net/ [2016年7月17日閲覧])によるものです(ちなみに経済学は199、政治学は82大学で学べるとされます)。ただしこれらの数字にはその分野の教員が、たとえば1人しかいない場合も含まれていますし、また毎年のように学部・学科編成を変える大学もありますので、あくまでも参考程度に。
 

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