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英語英文学科

2015.04.19

切って書く?続けて書く?│山部順治准教授

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英語英文学科

エッセイ

このエッセイでは、言語学という専門分野を紹介します。

 2つの単語を合わせてできた単語を複合語と言います。例えば、blackとboardという2単語を合わせて、blackboardという1単語ができます。

     black + board → blackboard 「黒板」

私たちの日常生活で見かける英語の複合語について、どのように書かれているか見ていきましょう。



 一つ目は、道路標識です。私たちの大学の近くに、写真のような標識があります。

この標識には複合語が二つ載っています。パーツとなっている単語は下の(ア)(イ)のとおりです。標識では、(ア)は分けて、(イ)は続けて、書いてあります。道路の区分を指すという点では仲間どうしなのにです。

     (ア)  bicycle+way 「自転車道」

     (イ)  walk+way 「歩行者道」

ここで疑問が起こります。―二つの複合語は、なぜここで違った書き方をされているのか―



 二つ目は、ハンバーガーです。

(ウ)(エ)の表記が気になりました。

     (ウ)  cheese+burger 「チーズバーガー」

     (エ)  rice+ burger 「ライスバーガー」

インターネット検索を行った結果を下に示します。次の2点のことが分かります。―第1に、続ける表記・分ける表記のどちらがあるかと言えば、これらのバーガーについては実際に両方の表記が使われている。第2に、どちらの表記がより普通かに関しては、「チーズバーガー」では続けるほうがが多く、「ライスバーガー」では分けるほうが多い。―


検索文字列

件数

(ウ) "a cheeseburger"   710,000
"a cheese burger" 210,000
(エ) "a riceburger"  207
"a rice burger"  5,460

                         検索:2015年4月17日、グーグルによる。



みなさんも、近所のハンバーガー店でどう書いてあるか見てください。「チーズバーガー」は高校生の使う英和辞書に掲載されています。辞書ではどうなっているか見てください。

 「ベーコンチーズバーガー」(オ)は、「チーズバーガー」(ウ)と違い、インターネット上ではcheeseとburgerの間で切るほうが多く見られます。みなさんで検索して確かめてください。

     (オ)   "bacon and cheeseburger"

            "bacon and cheese burger"

バーガーの名前は、それぞれで、続けやすさ・分けやすさが異なっている。そうなっているのはなぜでしょうか。



 以上は言語学が取り扱う題材といだく関心の例です。まず、言葉がどのように使われているのか、実態を明らかにします。さらに、なぜそうなっているのか、仕組みを考察します。これらの作業を積み重ねながら、言葉という(不思議な)ものの本質へ近づいていきます。

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