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英語英文学科

2015.12.14

L・M・モンゴメリゆかりの品を守れ――日本から募金活動に参加して―― | 赤松 佳子

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英語英文学科

エッセイ

 カナダの女性作家ルーシー・モード・モンゴメリの故郷プリンス・エドワード島には、モードと呼ばれた彼女と関係の深い家が生家をはじめいくつかあり、博物館として公開されているものもあります。そんな中で忘れられがちなのが父方の祖父モンゴメリの家です。<イングルサイド(炉辺荘)>(Ingleside)と呼ばれ、アン・シリーズの中でアンとギルバートの夫婦が子どもたちと暮らした家と同じ名前の家ですが、なぜか観光コースからはずれていました。この家の当主ロバート・モンゴメリが2015年7月、突然、調度品の多くをオークションにかけると発表し、モードも馴染んだ品々が散逸する危機が生まれました。その時、立ち上がったのは、プリンス・エドワード島大学の<L・M・モンゴメリ研究所を支援する友の会>(Friends of L. M. Montgomery Institute*)の会員たちでした。インターネットを通じて「L・M・モンゴメリゆかりの品を守れ」(Save the L. M. Montgomery Artifacts!)という募金活動を始めたのです。オークション当日までに資金を集めて、大切な品を競り落とし、プリンス・エドワード島大学のモンゴメリ・コレクションに加えようという活動でした。

 『赤毛のアン』の原書を現在、3年生のゼミで精読中の私は<友の会>の一員であり、ゼミ生や友人たちと募金活動に参加しました。ツィッターやフェイスブックを通じて賛同者が増え、募金が増えていく過程を見守りもしました。そして7月25日のオークション当日、集まった4045カナダドルを元に、<友の会>を代表してキャロリン・コリンズが競りに参加し、ついに最大の関心を集めた、陶器のフルーツバスケットを獲得することに成功したのです! もう一つの注目の的だった薔薇の蕾のティーセットは、競りに加わったものの、値段が資金以上に吊り上り、モンゴメリ家の親族が入手しました。けれども競りへの参加は、この品が全くの他人の手に渡ることを防ぐのに貢献したと言えます。さらに、コリンズは、1910年にモードが書いた手紙も獲得しました。

 2016年6月、第12回モンゴメリ国際会議が開催され、その期間中、オークションで競り落した品々が特別展示されるそうです。モードは、作家L・M・モンゴメリとして、小説や詩を書くだけでなく、作家志望の二人の男性と文通を行い、日誌も書き続けました。彼女は心が通じ合う人々を<同類>(Kindred Spirits)という言葉で表現した人でした。その思いを、私たちは募金を通じて実感することができました。彼女の作品を今も愛する人たちが世界中におり、<同類>として目に見えないコミュニティを作っているのだと知ったのです。

*Friends of L. M. Montgomery Instituteについては
http://www.lmmontgomery.ca/friends および http://lmmontgomeryliterarysociety.weebly.com/friends-of-the-lm-montgomery-institute.html
を参照。

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