2017.06.30
2017年6月29日(木)12時30分から、ノートルダム清心女子大学聖堂において、6月29日岡山空襲「平和への祈り」を開き、教職員約80人が一同に集い、学長の原田豊己神父とともに祈りを捧げました。
今から70数年前、太平洋戦争末期の1945年6月29日、岡山市中心部はアメリカ軍の大規模な空襲を受けました。本学園の校舎は被害を免れましたが、女子専門学校および高等女学校の学生・生徒14名の尊い命が失われました。
本学園の学生・教職員として、このことを記憶に刻み、平和の尊さを考える日とするために、この「平和への祈り」が催されました。
原田神父は「平和を保つことがいかに困難な状況になりつつあるか。人が人として大切にされていく世界を、この大学からまず発信したいと思います」と話し、全員で「平和を願う祈り」を唱えました。
平和を願う祈り
神よ、わたしをあなたの平和の道具にしてください。
憎しみのあるところに、愛を
いさかいのあるところに、ゆるしを
分裂のあるところに、一致を
迷いのあるところに、信仰を
誤りのあるところに、真理を
絶望のあるところに、希望を
悲しみのあるところに、喜びを
闇のあるところに、光をもたらすことができますように。
神よ、わたしに、慰められるよりも慰めることを
理解されるよりも、理解することを
愛されるよりも、愛することを望ませてください。
自分を捨てて初めて自分を見いだし、
ゆるしてこそゆるされ、
死ぬことによってのみ、永遠のいのちによみがえることを深く悟らせてください。
続いて、「わたしたちの物語~黒く塗られた校舎の歴史」と題したスライドショーが上映されました。
戦時下の本学は、大学の前身である岡山清心女子専門学校、清心高等女学校の時代でした。本学を経営していた外国人シスターたちは、開戦によって学内軟禁、三次キャンプ(敵国人収容所)へ収容、1943年にアメリカに強制送還されてしまいます。そのような過酷ななかでも、残された日本人のシスターと教職員が奮闘し、学校を存続したという歴史を、在学生や教職員で共有しました。
また、祈りが行われた聖堂は、アントニン・レーモンド設計の建物(1929年完成)であることが紹介され、戦中には空襲を避けるため白壁の校舎を黒く塗られたことが、本学人間生活学科上田恭嗣教授より説明されました。
校舎は、現在すでに白く塗り替えられていますが、2016年の壁の補修時に現れた黒い壁の一部分を、当時の面影として残しています。(清心アーカイブ「黒く塗りつけられた壁」をご覧ください)
これからも、学生たちとともに平和の尊さを考える機会を作っていきたいと思います。
キリスト教文化研究所・資料編纂室
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