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現代社会学科

2018.04.24

ラブリー&コスモポリタン:学科の紹介【38】

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現代社会学科

授業・研究室

ラブリー&コスモポリタン

轟木広太郎准教授

2017年度、海外研修ということで、パリとケンブリッジに滞在する機会を得ました。まったくタイプの違う町ですが、ともに、じつに多様な国籍・民族の人たちが入り混じって暮らしているという点では似通った両都市です。ただ、雰囲気はかなり違っていて、パリがエスニック(多民族的)であるのに対して、ケンブリッジはコスモポリタン(世界市民的)だと言えそうな気がします。今回は、ケンブリッジの話を少々...。

ケンブリッジは言わずと知れた大学町です。30を超えるカレッジと大学の施設が各所に点在していて、それが町のコスモポリタン的雰囲気を醸し出す源になっているのは間違いありません。世界中から多様な出身地の人が集まってくるのですが、この人たちは何か、「知的な折り目正しさ」のようなものを市民生活の共通の中心軸に据えるようにして暮らしています(私もとりあえず、そんな顔をしていました)。キングズ・カレッジの荘重さはあたかもその象徴のようです(写真1)。
こういうと、しかつめらしくて何か窮屈そうに聞こえますが、タクシーの運転手はきまって「この町はラブリーなところだ」というようなことを言いますし、住民が、顔見知りでなくても互いによく挨拶を交わすような、実際はなごんだ空気にあふれたところです。そして、なぜか町中の人が自転車(イギリスでは「バイク」という)に乗って走り回る活気あふれる場所でもあります(写真2)。
私も小学校への子供の送り迎えの必要から中古自転車を買って乗っていましたが、なんどか高級そうな変速機付きバイクに乗ったそこそこの年齢のご婦人に追い抜かれました(こちらも「おじさん」だけど)。しかも、そのやたらに多い、おまけにさまざまな種類の自転車が、車と同じように信号を出しながら(手信号)、堂々と車道を疾走しています。これも、共通のルールのうえを走っている国際的な市民感覚のなせる業、というと聞こえはいいですが、みんな、えっちらおっちらと必死にペダルを漕いでいるのには違いありません。

それから、町のなかにはかなり広大な緑の公園が随所に存在しています。これもパリのいろいろ手の込んだ由緒ある公園とは違って、ただ緑地が広がっているという感じで、むしろ開放感に満たされます。今回住んでいた所属カレッジのフラットの裏にも林があって、リスと小型の鹿がときどき姿を見せに来ました(写真3)。なんとその鹿は、もとは中国から来た鹿だそうです。こんなところにもラブリー&コスモポリタンが...。

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