武鑑全集―見て楽しむ大名家デザイン集「紋・道具」―
現代社会学科 藤實久美子教授(協力「見て楽しむ大名家デザイン集「紋・道具」」の紹介です。
武鑑(ぶかん)は江戸時代の大名家や幕府役人に関する名鑑のことです。これまで筆者は歴史学の手法を使って、武鑑にアプローチしてきました。しかし、「四の五のいわずとも、眺めているだけで楽しい」。江戸の空気が詰まった武鑑には「ワクワク感」があります。
この「ワクワク感」が、情報学・統計学の最新技術によって多くの人びとに共有される時代に入りました。これを後押ししているのはオープンサイエンスという考え方です。
オープンサイエンスとは、ある特定の分野研究の専門家だけでなく、さまざまな人が、多様な方法で研究活動に参加できるようにする動きのことで、日本の人文学分野では人文学オープンデータ共同利用センター(Center for Open Data in the Humanities / CODH)が情報技術を用いた新しい人文学の方法論の開拓をけん引している。
北本朝展(きたもとあさのぶ)先生は、人工知能(AI)の最新技術なども活用しながら、画像を切り取って集めるソフトウェアを開発して、武鑑を再編集(キュレーション)しました。
「見て楽しむ大名家デザイン集「紋・道具」」(情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 人文学オープンデータ共同利用センター制作)に最新の成果が公開されています。
江戸の情報空間をどのように現代によみがえらせるのか。プロジェクトは現在進行形で進められています。
現代社会学科
