人間生活学科では、1年生に向けた必修科目の一つとして、経営経済学コースの教員による「経営経済学概論」という科目があります。
現代の企業活動や消費行動を生活者の視点から分析し、将来的にビジネスに活用できる知識と考える力を身につけることを目標としています。この授業では、地域経済の課題や実情を知るためゲスト講師をお招きする機会を設けています。今年度も6月25日、岡山市で活躍する女性起業家のお二人をお招きしました。
講師はチーズケーキ専門店「サトユリノチーズケーキ」代表の佐藤有利子さんとカフェ「C3e」代表の鈴木理王奈さんです。「大好きな岡山で♡私のハッピー起業ストーリー」と題して、起業に至った経緯や過程をはじめ、Instagramを活用したプロモーション戦略、商品開発、経営の楽しさ、さらには夢の実現、オンとオフの切り替え、人と繋がることの大切さ、ライフコースにおける恋愛と結婚についてなどトピックは多岐に渡りました。
学生には講義前に「女性起業家のイメージ」「女性が起業・自営業をする際のメリット・デメリット」「10年後の自身の姿を想像する」について自由に記述してもらいました。それらについてお二人からコメントをもらうコーナーもありました。
100名を超える受講生の感想からさまざまな気づきや学びがあった様子が伺えます。長くなりますが、それらの一部を紹介したいと思います。
「岡山市で活躍する女性起業家・経営者の講義を受け、非常に刺激を受けた。実際に地域で活躍されている方の生の声を聞くことで、起業や経営という言葉がこれまでよりもぐっと身近なものに感じた。講師の方は、自らの強みや経験を活かして事業を立ち上げ、地域や社会に貢献されている姿がとても印象的だった。特に、困難に直面した時の乗り越え方や、信念を持ち続けることの大切さについては、私自身の生き方や将来のキャリアについて深く考えるきっかけとなった。
また、女性だからこそ直面する壁やバランスの取り方についても多様な生き方があることを実感した。これまで「起業」は遠い世界の話だと思っていたが、自分のアイデアや想い次第で誰でも挑戦できるというメッセージに、前向きな気持ちになった。今後は、今回学んだことを日々の生活や学びに活かし、柔軟な発想力や行動力を身につけていきたい。そして、自分自身の可能性を信じ、社会の中でどのように貢献できるかを模索していきたいと思った。」
「カフェの運営においては、誰でも来られる店を目指すよりも、「どんな人に来てほしいか」を決めておくことで、メニューや内装、サービスの方針が決まりやすいということに、重要性を感じた。
また、自分が本当にやりたいことに挑戦する際は、何もかもを一人で抱え込むのではなく、周囲の人の協力や助言を求めることで新たな視点を得られ、困難を乗り越える力になるという言葉には説得力があった。この講義を通して、経営は数字や理論だけでなく、人との関わりやビジョンのようなものが不可欠であると感じた。今後の学びにおいても、自分の興味や目標を大切にしながら、人とのつながりを活かして積極的に挑戦していきたいと考える。」
「今日の講義ではとても貴重なお話をたくさん聞くことができた。経営者の方々のお話を聞く機会はめったになく、その中で共感した点や新しく学んだことも多かった。今日のお話の中でとても印象に残っているのは、夢でもなんでもしたいことを声に出すことが大切だということだ。好きなことを仕事にするのは難しいけれど、私は自分の好きなことを仕事にしたいと思っているので自分にしかない強みを最大限活かせるよう今のうちからたくさんの資格を取ったり、自分を高める糧をつくり将来に活かしていけれたらと思う。」
「今まで女性の起業家と聞くと、芯を持っている強い人というイメージがあったけれど、それだけではなく柔軟性やコミュニケーション能力も大事だということを学びました。また、自分がやりたいからやるという言葉がとても心に残りました。人のためではなく、自分のためにしているから続けられるという経験は私も何度かあるので、共感できました。何か新しいことを始めるのは怖くてなかなか一歩踏み出せないけれど、とりあえず自分のやりたいと思っていることを人に言ってみようと思いました。私の性格的に好きなものを仕事にしないと続かなそうなので、大学の四年間で自分の本当にやりたいことを見つけて、実現のために少しでも動いていきたいです。」
「特別講師お2人のお話の中で自営業を始めようと思ったきっかけがとても印象に残っています。私は今将来の夢や職業を決めれないことに少し焦りを感じています。早い内に決めて努力をしなければと考えていましたが、お2人のお店を始めたきっかけが他の仕事をしている中で“副業として最初は軽く始めた”というお話を聞き将来を1つに絞る必要や焦る必要はあまり無いのだな、と感じました。私の視野が広がり、今後に役立つ良い経験となりました。」
「今回の授業でのお話を聞いて、これまで自分の中に「この社会は男性の方が優位にある傾向があり、女性だから壁があるのではないか」という先入観があったことに気づいた。しかし、実際に話を聞く中で、性別に関係なく「まずはやってみること」や「挑戦すること」がとても大切なのだと学んだ。行動しなければ何も始まらないし、まずは自分から一歩を踏み出すことの大切さを改めて感じた。
また、人生は一度きりであり、やりたいことをすぐに行動に移しているお二方の姿勢がとても印象的だった。今回の授業を通して、性別にとらわれずに失敗を恐れず挑戦し続けることの大切さを強く実感した。私はあまり積極的に行動できる方ではないけれども、これからは少しの不安や周りの声に惑わされず、自分の気持ちに正直になって、やりたいことを素直に行動をする勇気を持てるようになれたらいいと思った。」
「カフェを経営している女性のお話を聞いて、とても刺激を受けました。お菓子作りが好きで、カフェ巡りもよくする私にとって、「好きなことを仕事にする」姿がとても魅力的で憧れです。私は将来安定した生活を送りたいという気持や、親と学校の先生の意見を受けて、製菓の専門学校への進学は諦め、大学進学を選びました。しかし今でも「やってみたい」という気持ちは心の中に残っています。現在は家庭科の教員を目指しています。教員は副業ができないことから、大学生の今が挑戦のチャンスだと考えています。
お話の中で「地元の食材を大切にしている」という点が印象に残りました。私も地元の広島県産の苺やレモンを生かしたお菓子作りやカフェ運営をしたいです。まずはマルシェに出店したいです。その後間借りカフェに挑戦し、自分の「好き」を少しずつ形にしていきたいです。「自分も将来こんなふうになりたい!」と思えるような方に出会えてとても嬉しいです。」
これらの感想にあるように、良い意味で「女性起業家・経営者」のイメージが覆され、自身の夢の実現、キャリア・仕事に対する考え方や行動についてもロールモデルとしてお二人から勇気や刺激をいただいたようです。
経営経済学コースではこのような特別講義を提供するなどし、地域経済やビジネスの実情を知る機会を作りゼミ活動の参考としています。コースの2,3年次の演習やゼミ活動では、主に飲食に関連した各種イベントへの出店をはじめ、カフェメニュー、スイーツなど企画販売も含め、実践的な学びを推進しています。
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