ノートルダムの風景

2025.12.23

戦後80年・昭和100年記念講演会を開催しました

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 2025年12月3日、ノートルダム清心女子大学(岡山市北区)にて、戦後80年・昭和100年記念講演会 過去・現在・未来をつなぐ教育の物語「Echoes of Tradition Day ~伝統の響き~」を開催しました。
 本学では、2029年に創立80周年を迎えます。本講演会はその一環として企画したものです。
 当日は、学生・教職員・地域の皆さまなど約150名が参加し、戦争を直接知る世代からの証言と、研究者による学術的な視点を通して、戦後80年の歩みを振り返る貴重な機会となりました。

 基調講演では、本学卒業生でありナミュール・ノートルダム修道女会のシスターが登壇しました。 シスターは、1945年6月29日の岡山空襲を、当時13歳の学徒として本学寄宿舎で体験した記憶を語り、戦時下の学園生活や空襲の惨状、そして「学ぶことの尊さ」を静かに、しかし力強く伝えました。

戦争体験を語るシスター(右)と田中愛アナウンサー戦争体験を語るシスター(右)と田中愛アナウンサー

映像に映る写真から自身を指さすシスター映像に映る写真から自身を指さすシスター

 続くパネル講演では、本学教員が専門領域から戦争と地域の歴史を考察しました。
 久野洋 准教授は、 「戦争体験からの出発 ― 発見された戦争遺跡を起点に」と題し、 岡山に残る戦争遺跡の調査を通じ、地域に刻まれた戦争の痕跡を紹介しました。
 貴志俊彦 教授は、 「二重占領下の岡山 ― オーストラリア所蔵写真から」 と題し、戦後の岡山がどのように再建へ向かったのか、貴重な写真資料をもとに解説しました。
参加者からは、「戦争を身近な地域史として捉える重要性を感じた」「若い世代に伝える責任を実感した」といった声が寄せられました。

戦争遺産について説明する久野准教授戦争遺産について説明する久野准教授

二重占領下の岡山について説明する貴志教授二重占領下の岡山について説明する貴志教授

当日出席した本学の姉妹校である清心女子高等学校の演劇部では、戦時中の学園生活を題材にした創作劇を制作するなど、若い世代が主体的に歴史を学び、表現する取り組みも進んでいます。
 戦後80年を迎え、戦争体験者から直接話を聞く機会は急速に減少しています。本学は今後も、平和の尊さを学び、未来へ継承する教育活動を継続してまいります。

最後になりましたが、今回の講演会に際し、会場前ロビーにて、岡山空襲展示室様、岡山市立中央図書館様から貴重な資料をお借りし、本学の資料とともに展示することができました。また、今回の企画については、内閣官房よりXにてご紹介いただきました。この場を借りてお礼申し上げます。

ロビーにて記念講演にまつわる資料展示を行いました。ロビーにて記念講演にまつわる資料展示を行いました。