7月28日(14時45分~15時45分)、英語英米文学研究会の総会と修士論文中間発表会がありました。今回は理事長・学長の津田葵先生も参加されました。総合司会は木津弥佳・英語英米文学専攻主任が務めました。
まず、最初に大学院英語英米文学専攻 修士課程1年生から、本研究会の2020年の活動と2021年度の活動計画の報告、その後会計報告がなされ、問題なく承認されました。
今回の発表者は英語英米文学専攻 修士課程2年生の大学院生です。発表は英語で行われ、米国在住のイディッシュ語作家として1978年にノーベル文学賞を受賞したアイザック・シンガーの文学について執筆中の修士論文の中間報告でした。タイトルは「ホロコーストとシンガーのユーモア」です。シンガー作品の中で最後に英訳されたShadows on the Hudson(1998)における作家のホロコースト観とユーモアの効果について考察し、ホロコースト時代を生き抜いたこの作家のホロコーストへの思いや、そのような状況下でもユーモアがユダヤ文学にとっていかに大切なテーマであるかについて論じる内容でした。
研究発表後、英語英文学科の教員や学生から活発な質問がなされましたが、発表の学生はそうした質問一つ一つに丁寧に答えていました。たとえば、シンガーはユダヤ教超正統派ハシド派のラビである父親と、反ハシド派の母親という特別な環境のもとに生まれましたが、そうした特殊な家庭環境が具体的にはどのような影響を作家に与えたのか、という質問や、「シンガーのユーモアは誰のためのものなのか?」というような難しい質問も出ました。シンガーが単なる英語作家ではなくイディッシュ語作家であったことにより、アメリカにおける多言語作家として位置付けられるのではないかという問題が浮かび上がりました。
皆さんからの質問のおかげで、これからこの学生の修士論文の内容がさらに深まっていくことでしょう。お疲れ様でした。
英語英米文学専攻では毎年、5月と7月にそれぞれ、修士論文の題目発表と中間発表が行われています。学部の学生の皆さんも是非、発表会に聴衆として参加してくださいね。
・英語英米文学専攻(大学院紹介)
・英語英文学科
・木津弥佳教授(教員紹介)
・広瀬佳司教授(教員紹介)
・Immaculata(英語英米文学研究会の刊行物)
現在は、25巻まで発行されています。