国際交流

人間生活学科

2024.10.15

イギリス リバプール・ホープ大学との国際交流(2024年夏) : リバプールからの便りとともに - 株式会社リョービツアーズとの連携で英国学生が見た岡山の魅力-

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英国の協定大学であるリバプール・ホープ大学が行う「Global Hope Project」での活動の舞台として、本学では2024年8月18日(日)から9月1日(日)までの約2週間、参加学生および教員の受入れを行いました。また、今回の研修では本学と株式会社リョービツアーズとの包括連携協定をもとに、岡山県内での観光や文化理解を深めるための研修プログラムを実施し各地での活動や人々との触れ合いを通じて、学生は異文化交流の中で新たな気づきを得るとともに、国際的な問題解決のためのスキルを高めました。
10月11日、研修を終えてリバプールに帰国したチームから、日本での研修を振り返るキャンパス・プレゼンテーションを行ったとの便りがありました。今回のノートルダム清心女子大学を拠点とした岡山研修と学生間の交流は、両大学にとって国際交流を次の段階に向けて発展させる大きな景気となりました。
あらためて2024年夏のグローバル・ホープ・プロジェクトを振り返ります。

「Global Hope Project」とは、リバプール・ホープ大学に在籍する世界各国の学生が参加し、異文化理解や国際協力を促進することを目的とした国際的な教育プログラムです。このプロジェクトでは持続可能な開発や社会的課題に取り組むことを通じて、学生の視野を広げ、グローバルな視点での問題解決能力を育むことを目指しており、参加学生は世界中のパートナー大学や地域団体と協力し、現地での研修やプロジェクト活動を通じて実践的な学びを得ます。活動内容は地域社会の問題解決、教育支援、環境保護、文化交流など多岐にわたり、学生はチームを組んでプロジェクトに取り組みます。これにより、国際的な視点を持ちながら地域に貢献する経験を積むことができます。

研修初日の8月19日(月)、リバプール・ホープ大学からの学生および教員が本学に来訪し、研修がスタートしました。津田 葵学長に対する表敬挨拶の後、8月上旬に本学との包括連携協定を締結した株式会社リョービツアーズ様から今回のプロジェクトに関するスケジュールと岡山県内の観光地についてのオリエンテーションが行われました。

リョービツアーズの小童谷靖則 講師は、岡山県の各地域の特性を英語でわかりやすく紹介し、英国学生たちの興味を引き出すなど、充実したオープニングの講義を行いました。リバプール・ホープ大学に留学経験のある本学学生をはじめとするアシスタントであるグローバル・ホープ・アソシエイツも一緒に参加して交流を深めました。

リバプール・ホープ大学研修団による津田葵学長表敬の際の歓談風景リバプール・ホープ大学研修団による津田葵学長表敬の際の歓談風景

(株)リョービツアーズによる初日のオリエンテーション -県内地域ごとの特色や文化について説明を受ける(株)リョービツアーズによる初日のオリエンテーション -県内地域ごとの特色や文化について説明を受ける

2日目の20日(火)は岡山市内を訪問し、後楽園や岡山城、林原美術館、岡山県立美術館を巡りました。伝統的な日本文化や社会の変化について学び、参加者が持っていた日本に対するイメージに新たな視点を加えるきっかけとなりました。後楽園では、庭園が教育や研修の場としても機能していた歴史についての説明を受け、岡山城や美術館では岡山の歴史と文化について深い理解を得る貴重な機会となりました。

3日目の21日(水)は倉敷美観地区を訪問し、独特な街並みや大原美術館を中心に研修を行いました。大原美術館では、世界と岡山の繋がりや歴史について学び、倉敷市が誇るデニム製品についてもデニム研究所倉敷店にて英語での説明を受け、デニム産業の技術と歴史に触れました。また、阿知神社にも訪れ、日本の宗教と文化についての理解を深め、岡山県を代表する観光地での学びが充実した一日となりました。

4日目の22日(木)は本学のボランティア学生とともに備前市の備前焼窯元を訪問しました。この日は、岡山が誇る伝統工芸「備前焼」に焦点を当て、学生たちはその歴史や技法について学ぶ貴重な体験をしました。備前焼の長い歴史やその特徴に関する講義が行われ、学生たちは陶土の選定から登り窯での焼成に至るまで、製作過程の詳細な説明を受け学生たちは深い感銘を受けている様子でした。その後、英国学生全員が備前焼の作陶に挑戦し、日本の文化に対する理解を深めると同時に創作活動を行う、貴重な実践経験を積むことができました。

県内でのフィールドワーク最終日となった23日(金)、ボランティア学生達とともに吉備津神社を訪れ岡山県を代表する「桃太郎伝説」にまつわる歴史や由縁について学びました。研修中、学生ボランティアとリバプール・ホープ大学の学生たちは積極的に交流し、文化の違いや共通点について意見を交わすなど日ごとに交流を深め、プレゼンテーションに向けた情報収集を徹底し、翌週に行うリョービツアーズへ向けたプレゼンテーション発表に備えました。
 

倉敷市・阿知神社で神道について学ぶ参加者たち倉敷市・阿知神社で神道について学ぶ参加者たち

岡山が誇る伝統工芸「備前焼」について学び体験する様子岡山が誇る伝統工芸「備前焼」について学び体験する様子

27日(火)には伊原木 隆太 岡山県知事への表敬訪問を行いました。英国学生代表による知事への挨拶が行われ、その様子は地元メディアにも取材されました。今回の訪問で知事との直接の対話と交流の機会を得たことで、プロジェクトに参加した学生たちにとって日本の行政や地域社会との繋がりについてもより一層の理解を深める機会となりました。

28日(水)、英国学生たちは学生ボランティアとともに約2週間にわたって岡山城や倉敷美観地区などの観光地を巡り、歴史や文化、食を学んだことを振り返りリョービツアーズ様へ向けたプレゼンテーション発表を行いました。研修を通じて感じた「世界に発信すべき岡山の魅力」をテーマに、岡山県内での観光や文化理解を深めるための研修プログラム中の各地での活動を通じて発見した岡山の魅力に加え、県内の外国語案内の少なさや、スマートフォンを活用した多言語対応の案内システムの必要性を指摘するなど、県内ではなかなか気づくことができない視点から発見した改善点についても提言しました。

 活動最終日となった29日(木)にはノートルダム清心女子大学付属小学校を訪れ、小学校5,6年生による英語スピーチ発表会に参加しました。児童一人ひとりの個性が表現された発表に思わず学生たちは笑顔になっており発表会の後には児童との交流を楽しみました。
 

「世界から岡山への観光促進」の課題と提言を成果として発表 -(株)リョービツアーズ主催「世界から岡山への観光促進」の課題と提言を成果として発表 -(株)リョービツアーズ主催

今回の「Global Hope Project」を通じて、リバプール・ホープ大学の学生たちは、岡山の歴史や文化に触れ、その魅力を再発見する貴重な機会を得ました。また、研修を通じて本学の学生との積極的な交流も行われ、異文化理解や国際的な視野を広げるきっかけとなりました。両大学の学生たちが共に学び合い、文化や価値観を共有することで、より深い絆が築かれたことは大きな成果です。
また、若い世代の英国学生の視点による提案や意見は、今後の岡山の観光発展に向けた重要な指針となるでしょう。ノートルダム清心女子大学としても、これからも国際的な交流を推進し、地域の魅力を世界へ発信していく取り組みを続けていきます。

10月11日に届いたリバプール・ホープ大学の研修団からの懐かしい便りの中には、しばらくの時を経てもなお、色あせない日本での貴重な学びの体験を感じさせるリバプール大学側で撮影した写真が多く含まれていました。ここにいくつかをご紹介します。

 

両大学学生たちのクラス外での交流風景両大学学生たちのクラス外での交流風景

幻想的な情景が忘れられない「2024年 夏の烏城灯源郷」(岡山城)幻想的な情景が忘れられない「2024年 夏の烏城灯源郷」(岡山城)

リバプール・ホープ大学からのお便りの最後に、「来年はノートルダム清心女子大学からリバプールへの研修団を派遣してください」とのメッセージが添えられていました。大学間でそれぞれの文化や社会を知る中から、2025年度にはまた新たな交流の扉が開かれることになりそうです。

最後に、今回の研修にご協力いただいた株式会社リョービツアーズをはじめ、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。今後も、学生たちが多様な文化を学び、国際社会で活躍できるよう支援してまいります。
 

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