今年、社会文化学専攻2年の横山浩花さんが一般社団法人大学女性協会(JAUW)の若手派遣者2名に選ばれました。日本のユース代表の一人として2024年3月に2週間の日程でニューヨークの国連本部で開催された「第68回国連女性の地位委員会 68th session of the Commission on the Status of Women」に参加した報告です。
2024年3月11日〜22日の日程でニューヨークの国連本部、国連本部周辺および一部オンラインで「第68回国連女性の地位委員会 68th session of the Commission on the Status of Women」が開催されました。CSWは、女性の地位向上を目的とした会議で、国連加盟国だけでなくNGOや市民社会側からも参加することができます。国連経済社会理事会(ECOSOC)の機能委員会の一つで、1946年に女性の権利を促進する提言と報告をまとめることを目的として設置されました。私は一般社団法人大学女性協会(JAUW)の支援を受けて若手派遣、オブザーバーとしてCSW68に参加しました。
写真1 総会ホールでのオープニングセッションにて (2024年3月11日)
写真2 オープニングセッションにて グテーレス事務総長のスピーチ (2024年3月11日)
CSW開催期間中に行ったことは、まず優先テーマに沿った議題について国連加盟国、国連諸機関とNGOが共催する「サイドイベント」に参加することでした。(写真3)この写真は北欧諸国のサイドイベント(内容:労働市場における各国のジェンダー課題や取り組みの共有)です。
真ん中にいるのが、スウェーデン、フィンランド、アイスランド、フェロー諸島、グリーンランド、デンマークのジェンダーや労働に関する大臣です。周りに座っているのが私のようなNGO、市民社会側の参加者や他国の政府機関の方です。
CSWではこのように国連加盟国の大臣級の方々とNGO、市民社会側の参加者が一緒に参加し、直接意見や質問を伝えることができます。国連という場でポリシーメーカーと当事者たちが同じ空間を共にすることは大きな意味があります。
写真3 ECOSOC and Social Chamberにて 北欧諸国のサイドイベント(2024年3月11日)
次にNGOがテーマ自由で開催できる「パラレルイベント」に参加しました。私の研究テーマは「日本の性教育」ですので、性教育に関連して、包括的性教育、HIV/エイズ、人工妊娠中絶、代理出産、SRHRなどをテーマにしていたイベントに参加しました。
また、派遣元のNGOが加盟するGWI(大学女性協会インターナショナル)のユースがパラレルイベントを開催し、(内容:ジェンダー平等のための持続可能な資金供給/経済的自立について)私もアジア、日本の視点として「日本における草の根の女性の起業支援の事例」を報告させていただきました。(写真4・5)国境や世代を超えてフィードバックをいただき、日本のジェンダー課題を考える機会となりました。(余談ですが、このイベントで報告させていただくきっかけとなったのが鈴木真先生のアジア史特論Ⅰの最終レポートでした。まさか授業で書いたレポートから国連のイベントで報告するきっかけになると思ってもみませんでした。一見何も繋がっていないようなこともしっかりと取り組んでいたらどこかでチャンスになるんだなぁという経験をしました。鈴木先生にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。)
写真4・5 オンラインにて GWI Young member networkのパラレルイベント (2024年3月19日)
次回は、ユースのイベントの参加やニューヨークで過ごした2週間で何を感じたのか、後編もぜひお楽しみに。
・大学院
・社会文化学専攻
・【大学院を知ろう|文学研究科シリーズ】
おまけ(前半)
写真6 国連本部の外 国旗は毎回数名のスタッフの手によって上げ下げが行われていました。
写真7 国連本部のビルと入館証 CSWが開催する2日前に到着して、入館証を作りにいきました。
写真8 国連本部の中からみた風景
写真9 国連本部のエントランス近く 歴代事務総長のポートレート。待ち合わせ場所として使っていました。