大学の取り組み
著者・刊行物
他者と沈黙 ウィトゲンシュタインからケアの哲学へ
学科・機関 |
人間生活学部 人間生活学科 |
教員名 |
﨑川 修 准教授 |
著者情報 |
﨑川 修 著 |
出版社 |
晃洋書房 |
発行日 |
2020/3/30 |
サイズ・頁数 |
四六版 284頁 |
金額 |
2,600円+税 |
- 内容紹介
-
本書はウィトゲンシュタインの哲学を起点とし、その独特の言語観を「他者」との関係性から論じつつ、私たち人間の生の在り様とその行方を探求している。第一部ではウィトゲンシュタインにおける言語と他者の問題を理論的に考察し、第二部ではそれらを出発点としながら、「ケア」という視座を軸に、生者と死者の交わる経験の場を照らしだすことを試みている。
はじめに─ 垂直と水平のはざまで
第Ⅰ部 ウィトゲンシュタインと他者
第一章 他者と沈黙―ウィトゲンシュタインとニヒリズム
1 はじめに
2 論理哲学論考、もしくは自己否定する書物
3 類似と断言
4 他者のニヒリズム
5 言語ゲームと他者
6 ゲームの規則
7 承認と沈黙
第二章 言葉が世界に触れる―『論考』における像と表現
1 はじめに
2 像としての言語
3 表現の構造
4 接触の論理
5 沈黙と表現
第三章 言語ゲームの向こう側―ウィトゲンシュタインと「人間」の問題
1 はじめに
2 他者としての人間
3 言語ゲームと二人称的関係
4 対話と他者
5 言語ゲームの向こう側
第四章 精神分析・言語ゲーム・他者の心
1 心について語ること
2 フロイトとウィトゲンシュタイン
3 言語ゲームという神話
4 精神分析の知
5 非対称な知に向かって
第五章 世界像と他者―『確実性の問題』再考
1 はじめに─ 疑いを生きるということ
2 言葉への懐疑(一〜六五節)
3 世界像と他者(六六〜二九九節)
4 原初的言語再考
5 規範の他者性(三〇〇〜六七六節)
6 世界像としての他者
7 おわりに
第Ⅱ部 言語ゲームからケアの哲学へ
第六章 ケアと他者経験―言語ゲームから〈語りの知〉へ
1 はじめに
2 言語ゲームとケアの地平
3 ケアの原初性
4 ケアされたことの根源性
5 喪失と「受け取り直し」
6 〈語りの知〉へ
第七章 沈黙をともに聴く―グリーフケアと言葉の哲学
1 はじめに
2 ケア、この「苦悩」に向きあうかたち
3 グリーフケアの本質
4 方法としての言葉
5 沈黙からの出発
6 生者と死者の出会うところ─ 耳のナラティヴへ
第八章 魂の在り処―グリーフケアと対話の哲学
1 はじめに
2 「ウワバミ」の吞み込んでいたもの─ 星の王子さま①
3 ヒツジと箱─ 星の王子さま②
4 「魂」の在り処─ 星の王子さま③
5 よみがえる「すがた」
6 おわりに─ 刷新されるスピリチュアリティ
第九章 「身振り」としての沈黙―グリーフケアの哲学
1 はじめに─ 沈黙をともに聴く
2 グリーフケアの場所
3 失語から沈黙へ
4 「身振り」としての沈黙
5 おわりに
第一〇章 ケアにおける非対称性―あるいは死者の眼差し
1 はじめに
2 ケアの双方向性と非対称性
3 〈柔和な女〉─ 共依存のドラマ
4 死者の眼差し
5 ケアの再起動のために
あとがき
- バックナンバー
-
一覧に戻る