日本語を調べて分析する授業
―「日本語学演習」ではどんなことをしているか?―
―「日本語学演習」ではどんなことをしているか?―
日本語日本文学科・教授
尾崎喜光
尾崎喜光
教員の講義を聞くだけでなく、それをふまえて学生たちが実際にやってみる授業です。将来の卒業研究につながることも想定しています。
私も「日本語学演習」という授業を担当しています。3年生から履修できる授業で、毎年10人前後が履修しています。
授業の一環として、私たちが日常生活で使うちょっと不思議だと感じられる表現を取り上げ、それを調べるためのアンケート調査を企画し実施しています。そこで得られたデータを分析し、言語使用の一端を明らかにする練習をしようというわけです。
学生は一人1~2問の設問案を提案し、授業の中でブラッシュアップして完成させ、最終的に全員の設問を1つの調査票にまとめます。「オムニバス調査」と呼んでいます。2021年度の授業では、教員も含めて13人が設問を持ち寄って調査票を作成し、これを配布して91人から回答を得ました。
図1は、回収した調査票のサンプルです。得られた回答は、選択された選択肢の番号などをエクセルに入力しますが、それを確実に行うために、まずは4ケタの回答者番号を赤字で記入したり、選択された番号を赤字で余白に書き出します。これを見ながら入力します。
こうした作業は大学のコンピュータルームで行っています。図2は私が学生たちを指導している写真です。
図3は、学生たちが調査票を整理し、データをエクセルに入力している写真です。奥にいるのは私です。
図4は入力と校正が完了したエクセルデータの一部です。文字が小さくて読めないと思いますが、横に設問を、縦に回答者をとってあります。
図5は、私が提案した、「組み分けジャンケン」を小学生の頃どのように行っていたかを質問した結果の一部です。最も注目したのは「組み分けジャンケン」をするときのかけ声ですが、ここではそもそもどのように行っていたかを質問した結果を示しました。選択式の設問で、複数回答可としました。
グーとパーで組み分けをしていた人が約8割と最も多いのですが、手の甲と手のひらを使って組み分けをしていた人も2割近くいることがわかります。
学生たちはこうした「演習」という授業を通して「言葉を調べる力」を養い、卒業研究に向かっていきます。
図4は、こちらで画像拡大できます。
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